2021年3月で廃止のバス路線まとめ【東日本】 世田谷のくねくね路線 北海道の最果て路線も

ダイヤ改正シーズンである3月は、今年も多くの地域でバス路線の再編や廃止が行われます。新型コロナウイルスによる旅客減の影響を受け、各社とも事業の見直しを余儀なくされており、名物路線も相次ぎ姿を消します。

都市圏でも目立つバス路線整理の流れ

 交通業界に深刻な影響を与えたコロナ禍。もともと年度末の3月は多くの地域でバス路線の整理が行われますが、2021年3月には、全国の名物路線も相次ぎ姿を消します。今回は東日本の主なものを見ていきます。なお、特記以外はすべて3月31日(水)最終運行、4月1日(木)廃止です。

整理の波は東京・横浜にも

●東急バス都立01系統、渋55系統
・廃止区間:成城学園前駅~都立大学駅北口(都立01)、東北沢駅~幡ヶ谷折返所(渋55)

 東京都世田谷区では、東急バス都立01系統が姿を消します。成城学園前駅から東急田園都市線の桜新町駅へ向かう途中、砧公園通りを環八通りまで抜ける区間は、公園まわりの緑の多さと道路の狭隘さもあって、ある意味世田谷区らしい雰囲気の路線でもありました。同系統の単独区間である岡本3丁目~桜新町駅間は、玉31系統の別ルート便として土曜の1便ずつ新設される「成城学園前駅~用賀駅」「用賀駅~弦巻営業所」に分割される形で、バス停は存続します。

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廃止される東急バス都立01系統。東名高速下のルートはこの系統のみが走る(乗りものニュース編集部撮影)。

 また渋谷駅と幡ヶ谷折返所を結ぶ渋55系統は、「東北沢駅」バス停(「東北沢」から名称変更)止まりに路線が短縮され、戦前からバスが運行されていた東北沢駅~幡ヶ谷折返所間が廃止になります。甲州街道の200m南側、玉川上水の暗渠の上にある幡ケ谷折返場は、他の路線とつながっておらず、周辺はとても閑静です。渋谷~幡ヶ谷間は京王バスなどの並行路線もあるため、幡ヶ谷駅からもやや離れた幡ヶ谷折返所に発着する渋55系統の運営としては、厳しい状況が続いていたようです。

●横浜市交通局/京浜急行バス(共同運行)94系統
・廃止区間:金沢区総合庁舎前~富岡バスターミナル

 金沢区役所から同区並木・富岡地区を結ぶ路線。2019年に近くを走る「金沢シーサイドライン」が、終点の金沢八景駅で京急の駅との接続を完了(仮駅から延伸)させ、区の中心部への利便性が向上したこともあり、バスは日中のみ1時間に1本程度、日曜・祝日は運休と、やや寂しい状態が続いてました。

 ただ廃止区間は最寄り駅(金沢シーサイドライン 並木中央駅)からやや遠く、交番も整理対象となるほど高齢化・過疎化が進んでいることから、横浜市は94系統廃止の補完として、294系統(新杉田駅前~並木中央~なぎさ団地前)のコース変更といった対策も検討しているようです。

※ ※ ※

 また路線の廃止ではありませんが、西武池袋線 石神井公園駅南口付近のバスルートが3月27日(土)10時から新規開通の道路に変更されるのも、大きな変化でしょう。常駐した誘導員がトランシーバーで連絡を取りながら、狭い商店街の直角カーブでバスを交互に通行させる光景も見納めとなります。

【写真】間もなく廃止 バスで行ける「最果て」の光景 北海道「サロベツ線」

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コメント

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2件のコメント

  1. 都立01は以前黒05といって目黒駅始発でした。電車だと45分程度で行けるところ、謎の大回りを続けて2時間位かかり、子ども心でもなんでこんなルートなんだろうと思っていました。あの系統が無くなるのかというのはいろいろ感慨があります。

    一方で横浜市営バスの94系統はたまに使うのですが、金沢区役所近辺は官公庁が集積しているにも関わらず、どの駅からも、とのバス停留所からも距離があります。その中で94系統が唯一区役所前に乗り入れていた公共交通機関だったので、交通弱者(得てして行政のサービスに頼る率が高い)の方々にとってはなかなか厳しいことになるのではと思っています。

  2. ありがとうございます。コロナ禍の中、致し方がないことでありますね。これはバス路線などに限らずに日常生活全てにおけることであり、全ての始まりいわゆる「当面のあいだ」からの始まりであります。自分の記事に何度も書いているように「当面のあいだ」とは実質それ(当面)以降が正式に決定することを前提としている為の暫定措置(暫定期間)であり、元サヤ(当面以前)に戻る事と言う意味ではないのです。今回のバス路線の廃止も既に「当面のあいだ」の時点で廃止決定を前提としていたに間違いないと思われ、後日正式に廃止決定にした事と思われます。この記事はバス路線についてではありますが、他の交通機関でも「当面あいだ運休」から「廃止・廃便」に至ったり、「当面のあいだ減便」が「ダイヤ改正」名目で「減便後のダイヤが正式なダイヤ(=当面の期間と同じ)」、そして飲食業界を中心に商業施設などでは「当面のあいだ時短営業」が営業時間変更名目で「新・営業時間(=当面の期間と同じ)」になったり、最悪の場合は「当面のあいだ休業」がそのまま「完全閉店」つまり「永遠に休業」即ち廃業になったケースが極めて多数あるのも現実的であります。非常に残念極まりないことですが、これが現状であります。