「そのアイデア、鉄道各社で“横展開”します!」異例の12社参画 スタートアップの社会実装が“あっという間”に進みそうな仕組みとは
日本のスタートアップ企業支援を加速するため、鉄道業界がタッグです。東京の5社が連携したイノベーションクラスター「TRIP」へ、さらに4社が参画し、全国規模となりました。各社が新たなサービスの社会実装の“横展開”に意欲を示します。
鉄道12社が手を組んで「スタートアップいらっしゃい」
全国の鉄道事業者が異例の連携です。国内IT大手のTIS(東京都新宿区)と鉄道事業者が中心となり、社会課題の解決や街づくりなどの新事業を創出するスタートアップ企業を支援するプロジェクト「TRIP」へ、さらに全国から鉄道事業者が追加で参画。2025年3月12日にメディア向け説明会が行われました。

「TRIP」はTokyo Railway Innovation Partnershipの略。2024年度から、小田急、西武ホールディングス、JR東日本スタ―トアップ、東急を構成企業として始まり、さらに京王、京急が合流。そして今回、西鉄、東京メトロ、東武、相鉄、名鉄、JR東海の6社が新たに加わり12社となりました。
かんたんに言うと、これら企業でスタートアップ企業を支援し、サービスをどんどん“横展開”していく目的があります。
TISの水船慎介さんは、「鉄道と新しいことをやりたければ、TRIPに相談しよう!」と訴えます。
TRIPは東京都が推進するスタートアップ創出事業に採択されたクラスター(企業集団)のひとつ。スタートアップとの協創を通じて新しいサービスの導入に意欲的な鉄道事業者が連携しています。
東京都は2027年度までの3か年で、採択クラスターに対し最大で6億円の協定金を提供し、取り組みを支援します。ただしTRIPの展開は都内には限定しません。
従来は、鉄道各社が個別にアクセラレーションプログラムなどを通じてスタートアップとの協創に取り組んできましたが、小田急、西武ホールディングス、JR東日本スタ―トアップ、東急は「JTOS」という名で横連携をしていました。そこに、数々のスタートアップ支援を行ってきたTISと東京都の支援事業が組み合わされて、規模が一気に拡大したといえます。
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