2021年3月で廃止のバス路線まとめ【西日本】 変化大きい京阪神の北 市営由来の路線苦境

引き継いだものの強力なライバルが…元・市営バス路線の苦境

「〇〇市交通局」など自治体が運営する路線バスは、かつては多く存在しましたが、民間への路線移譲が進んでいます。今春のダイヤ改正では、市営路線や市営の名残を残す路線の廃止や大幅減便などが行われます。

●山陽バス「明石線」(60系統、67系統)
・廃止区間:明石市役所前・明石駅~朝霧駅

 JR明石駅に乗り入れる山陽バスの2路線が運行休止となり、この改正によって山陽バスは明石市の市街地から姿を消すことになります。これらはもともと、2012(平成24)年に事業を終了した明石市営バス(明石市交通部)の路線です。

 明石駅と朝霧駅を結ぶこの路線は、神戸市垂水区の市境にある「明石舞子団地」(明舞団地)を経由するため、ルートとしてはやや遠回りになるものの、団地と駅には相当な高低差があることから、住民の足として本数・系統ともに多く運行されています。

 明石駅~明舞団地間は、同じく旧市営バス路線である神姫バス80系統も運行していますが、「競争原理とリタンダンシ―(補完性)確保」との目的で、長らく途絶えていた山陽バスの明石駅への乗り入れが市営バス廃止とともに実現した経緯があります。しかし競争の厳しさとともに運転手の確保も難しく、コロナ後に利用者数が3~4割減少したことで廃止の決断に至りました。

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朝霧駅に到着した山陽バス60系統(宮武和多哉撮影)。

●北九州市営バス(5つの系統で起終点見直し、巡回バス化)
・廃止区間:熊手四ツ角(黒崎ひびしんホール側)~八幡西郵便局前、久岐の浜市営住宅前~久岐の浜1号公園前、縄手(旧道側)~浅川小学校前
(3月20日廃止)

 北九州市交通局(北九州市営バス)は運行の効率化と路線の維持を図るべく、今回のダイヤ改正で路線を「幹線」系統と、これに接続し比較的狭い範囲で乗り換え、バス停と主要施設を結ぶ「支線(フィーダー)」系統とに分け、うち5つの系統で起終点などを変更し「巡回バス」とする再編を行います。これにより八幡西区で8つのバス停が廃止される一方、これまで西鉄バス北九州の路線のみ乗り入れていた「JCHO九州病院」への延伸も行われます。

 旧若松市交通局を母体とする北九州市営バスは、おもに北九州市の西側にあたる若松区、八幡西区の輸送を担ってきました。しかし近年では乗客数が全盛期の3割と厳しい状況が続き、民営化しても移管後の路線維持に補助金がかかるため、当面は公営のまま維持される見通しです。その代わりとして事業計画で定めた合理化を進め、2020年春にも休日ダイヤの4割削減と大規模な路線再編、8路線でワゴン車の導入と、大ナタをふるったばかりです。その後もこまめに変更を行い、利用が少ない区間は車両をワゴン車化する一方、利用者が多い区間は快速を設定するなど急ピッチで対策を進めています。

【写真】「途中」止まりのバス廃止→途中を途中で経由するバスの終点

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コメント

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2件のコメント

  1. バス事業者や自治体に取材をして書いているのででしょうか。
    取材しなくても、廃止に向けての協議会の資料やバス事業者の社史を見たら分かるはずのことなのに、裏付けや取材が取れていないのでは。

    阪急バスの廃止は、西谷も西能勢もどちらも共通しているのは、田園バスが阪急バスに合併されて運転士の賃金が増えたことで運行するのにかかる経費が上がった、コロナ禍で乗客と収入が大幅に減少、さらに自治体からの補助金の減額や打ち切りが原因。ここが大きなポイントなのでは。

    「三田線」は阪急バスの路線でいうなら「東部三田線」に名前が変わっている。
    それに西谷の住民の共同出資で~という流れで記事を書いているのに、会社設立から道路開通まで尽力された田中先生、先生の尽力によって開通した十万道路を通る宝塚線の廃止に触れていないのは悲しい。

    妙見口能勢線は京都交通の廃止代替で合っているけど、74系統じゃなくて系統番号なしでは?

    能勢の郷も、かんぽの宿の民営化も原因の一つだけど、こっちは京都交通じゃなくて福住から来ていた国鉄バスの廃止代替です。

    • マニアの持論はブログでどうぞ。いま非公開にされてるんでしたっけ?