初の5か国実施 海自も参加の多国間訓練「ラ・ペルーズ」フランスが主催のナゼ
インド洋で日仏米豪印5か国共同の訓練が始まりました。今回からインドが加わった「ラ・ペルーズ」と呼ばれるこの訓練、フランス主催で行われますが、なぜ本国から遠く離れたインド洋で訓練を主催するのでしょうか。
フランス海軍主催の多国間訓練 インド初参加
インド東方に広がるベンガル湾において、2021年4月5日(月)、フランス海軍主催の多国間共同訓練「ラ・ペルーズ」が始まりました。参加しているのは、フランス海軍から強襲揚陸艦「トネル」とフリゲート「シュルクーフ」、海上自衛隊から護衛艦「あけぼの」、アメリカ海軍からドック型輸送揚陸艦「サマセット」、オーストラリア海軍から補給艦「シリウス」とフリゲート「アンザック」、インド海軍からフリゲート「サツプラ」とコルベット「キルタン」の計8隻です。
「ラ・ペルーズ」は、もともとフランス、日本、アメリカ、オーストラリアの4か国により2019年5月に初めて開催された共同訓練です。それから2年経ち、今回インドが加わり、5か国にまで規模が拡大しました。なぜ今回、インドが加わることになったのか。それは、とうぜん中国をけん制するためです。
そもそも「ラ・ペルーズ」とは、18世紀後半に活躍したフランス海軍士官の名前です。彼は1785年、当時のフランス国王ルイ16世の命を受け、太平洋地域を探検して回りました。フランス主催だからこそ、訓練名に彼の名前が用いられているといえるでしょう。
ではなぜフランスが主催するのか。それは同国の海外領土が南太平洋のニューカレドニアやポリネシアなどにもあるからです。これら島々の領海や経済水域を守るために太平洋海軍管区および各駐屯軍が編成され、フリゲートなど各種艦艇が配備されています。
同様にフランスはインド洋南西部にも海外領土となる島が複数あります。そのため、フランス本土と太平洋は距離的には遠いものの、同国は他のヨーロッパ諸国よりも中国の外洋進出を注視しているようです。
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