初の5か国実施 海自も参加の多国間訓練「ラ・ペルーズ」フランスが主催のナゼ

フランスも中国の海洋進出を注視

 日本、アメリカ、オーストラリア、インドは、2007(平成19)年5月に通称「クアッド」と呼ばれる4か国戦略対話の枠組みを構築し、2021年3月には初の4か国首脳会談を開いて、中国をけん制しています。

 そのようななか、フランスも中国の外洋進出をけん制する目的で、オーストラリアやインドと3か国での連携を模索しているほか、西太平洋方面におけるプレゼンス強化を目的として日本やアメリカとの連携強化を図りつつあります。このような流れがあったことで、今回、インド洋を舞台に、初の5か国共同訓練が実現した模様です。

Large 210406 laperouse21 02

拡大画像

ベンガル湾で訓練中の各国艦艇。手前からフランス海軍フリゲート「シュルクーフ」、オーストラリア海軍補給艦「シリウス」、インド海軍コルベット「キルタン」(画像:海上自衛隊)。

 なお、2021年3月にはアラビア海において、海上自衛隊の護衛艦「ありあけ」とフランスの原子力空母「シャルル・ド・ゴール」、フリゲート「プロヴァンス」が、ベルギー海軍のフリゲート「レオパルド1世」を交えて3か国共同訓練を行っています。

 一部情報によると、空母「シャルル・ド・ゴール」はアラビア海周辺で中東諸国と共同訓練を実施したのち、地中海に戻るという話もあるものの、フランスは日米豪印とともに「すべての国家による国際法の尊重、特に航行と飛行の自由」を表明しているため、引き続き、各種艦艇のインド洋および西太平洋への派遣は続けられる見込みです。

 今回の「ラ・ペルーズ」は4月7日(水)まで続き、その間、対潜水艦戦や艦載ヘリコプターの相互発着艦など各種戦術訓練が実施される予定です。

【了】

【写真】「ラ・ペルーズ」に参加のフランス強襲揚陸艦

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。