地方で走る「食パン電車」たち 中間車両を「先頭車化改造」で誕生した「のっぺり顔」

元祖「食パン電車」は寝台特急を通勤電車に

「食パン電車」という愛称が用いられる際、JRの419・715系電車を指すことが多いかもしれません。これらは国鉄時代に、特急形車両の581系電車や583系電車を改造して生まれた車両です。

 581・583系は寝台特急用に開発されたもので、車内空間を確保するため、天井が高く、側面形状はほぼ垂直で、戸袋を無くすため扉が折戸になっているなどの特徴があります。

 新幹線や高速バスの普及の影響で寝台特急が減少し、これらの車両に余剰が出る一方で、近郊形電車は本数増加のための増備が急務となっていました。両者の事情から生まれたのが419・715系という「元寝台特急の普通列車」で、不足する先頭車は中間車の一部を先頭車化改造して補いました。

 一方の先頭車は重厚な特急型、もう一方の先頭車は文字通り白い「食パン」のようなのっぺりした形状のアンバランスな姿で、北陸本線や東北本線、佐世保線などで第二の人生を送っていましたが、2011(平成23)年にすべて引退しています。

【了】

※一部修正しました(4月25日14時59分)。

【のっぺり顔 全国各地の「食パン電車」たちを見る】

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コメント

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8件のコメント

  1. 東急の先頭車は元々のっぺりしてるので中間車改造でも大して変わってない気がしますね。

  2. 「首都圏・関西で一世を風靡した通勤電車の205系電車」と、ありますが・・・
    関西では極めて少数派としか言えないのでは? 東海道山陽緩行線に7連×4本と(正面顔左右反転タイプで)JR化後の阪和線に4連5本の合計48両しか投入されておらず、主に常磐線103系から改造された4扉105系のうち、奈良・和歌山線向けに車両数と同じぐらいです。新製投入されたのはほぼ首都圏のみで、関西へ投入されたのはほんの一部のみです。(首都圏で言うなら、走ルンです世代の501系?)
     なので「関西で」の部分は不要と思います。せいぜい、注釈で「ほんの一部は関西向け」程度では?

  3. なお博多の匠はアルミな新幹線車両の中間車を与えられて廃車体の先頭車を使って先頭車化改造したんだよな(さすがに新幹線なので食パン化にはしなかったけど)。

  4. 先頭車化といえば伊豆急の8000は。 
    井の頭線がタネ車の岳南はどうなんでしょう。 
    食パン電車の元祖といえば63形かと。先日桜木町事件から70年が経ちました。

  5. イケメン魔改造こと ことでん1070も出してあげてよー

  6. 垂直スリーブアンテナを無理矢理付けてるのがみっともないな。
    安いんだろうけど。

  7. 食パンというと寝台列車の車体を使ったものがかなり異様。

    • てゆうかそれが変に縦長で上が丸かったから「食パン」と呼ばれたと記憶している。
      平らなだけで食パン呼ばわりは違和感を覚える。