「オートバイ」という概念の最果てにある「ケッテンクラート」 誕生の経緯とその顛末

バイクのようでバイクじゃない、かといってバイクのアイデンティティは持っている、そのような乗りものがWW2期ドイツで生まれた「ケッテンクラート」です。現代には生き残っていない絶滅種、なぜ生まれ、消えていったのでしょうか。

目をつけたのはドイツ陸軍 そして戦場へ

 Kfz.620が民需用として日の目を見る前、ドイツ陸軍がこれを山岳部隊用にと着目します。1939(昭和14)年9月に第2次世界大戦が勃発し、戦争開始と共にドイツ自動車業界は軍用車優先となり、そして森林作業用だったKfz.620はドイツ陸軍に採用され70両が先行生産されました。

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森林地帯の狭隘な悪路を走破する先行量産型。もともと森林地帯作業用として企画された車両だった(画像:ドイツ連邦公文書館)。

 試験の結果、オートバイエンジンでは軍の要求する性能を満たすことができず、排気量1500cc、水冷直列4気筒のオペル製オリンピアエンジンに交換します。過酷な条件での使用に耐えるよう構造も強化し、車体はオートバイ状フレーム構造からバスタブ状となり、前輪やフロントフォークがかろうじてオートバイの雰囲気を残しました。こうして制式「Sd.Kfz2」が付与されます。

 オートバイとはいいながら、操縦席は自動車のようでもあり、床にはクラッチペタル、ブレーキペタル、シフトレバーが並びます。しかしアクセルペダルは無く、右手ハンドルがスロットルになっていました。実際に動かしてみると、ペダル2個というのは人間工学的にも理にかなって操縦しやすく、マニュアル車の3個ペダルの方がオカシイという意見もあるそうです。

【画像】クルマより人にやさしいかも ケッテンクラート操縦席の詳細解説

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