TDA/JASの「レインボーカラー」はエアバス社との“愛の証”だった! その紆余曲折
エアバス社発祥の「レインボーカラー」採用の裏で…
なお、A300から始まったTDA/JASのレインボーカラーは4色で構成されていますが、もう一回り小さい同社の主力ジェット機だったDC-9/MD-80系は一色少ないのだそう。
1985(昭和60)、DC-9/MD-80系の新モデル「MD-81」の就航により、レインボーカラーのDC-9/MD-80系が誕生しましたが、エアバス社のデザイン譲りであることから、DC-9/MD-80系を製造するマクダネル・ダグラス社が、その塗装にされるのを嫌がったとか、嫌がらないとかいった逸話もあったようです。ちなみに、1988(昭和63)年、JAS(日本エアシステム)に社名変更した直後に導入されたDC-10は、A300と同様4色でした。
ところで、「レインボーカラー」と呼ばれたJAS機はほかにもあります。
1996(平成8)年に導入されたDC-9/MD-80系の最終形「MD-90」は、初号機から7号機まで、各機異なる鮮やかな虹色が特徴の特別塗装で、こちらも「レインボー・カラー」と呼ばれ、8機目からも踏襲されていました。
このほか、1997(平成9)年に導入されたボーイング777-200も、一般公募で選ばれた虹色塗装が特徴で、こちらは「レインボー・セブン」の愛称を持っていました。TDA/JASと「レインボー」との縁は、エアバス社との相思相愛に始まりJALと合併する2004(平成16)年まで、四半世紀以上続いたといえるでしょう。
【了】
Writer: 種山雅夫(元航空科学博物館展示部長 学芸員)
成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。
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