貨物の廃線ちょうどある! 南武線支線を川崎駅につなぐ「川崎アプローチ線」難しい?
ここは「貨物の大動脈」 JRが消極的なのは仕方ない?
川崎アプローチ線として鉄道の復活が検討されているのは1km弱の距離ですが、濃縮されたように課題が山積しているため、距離の割に工費がかかるのも何となく頷けます。近年新たな用途に転用された土地も多く、せめて10年早く動いていれば、状況は違ったかもしれません。
もしこの構想が実現した際には、いまの南武支線を運営しているJR東日本が事業者となる可能性が大きいと思われますが、当のJR東日本は需要・設備投資の問題から、現在のところ消極的な姿勢を見せています。
まず需要の面では、現在の南武支線の旅客列車は2両編成、日中で40分に1本程度と、利用状況も臨海部の北側へアクセスする京急大師線の数分の1ほどです。乗客は増加傾向とはいえ「分母が小さい」状態のため、川崎アプローチ線でどれだけ効果があるかは未知数と言えるでしょう。
また浜川崎駅~川崎駅間を直通した場合の距離は、運賃の計算上、ほぼ初乗り程度です。アプローチ線で利用者数が増えても、運賃収入増につながらない可能性があります。
そもそも南武支線の一部区間は東海道貨物支線との共用で、現状でも旅客列車は一部時間を除き単線でやり繰りされているため、運転本数の増加は難しい状況です。南武支線は貨物列車の本数が多いだけでなく、通過する積載物もコンテナ、石油、ジェット燃料、焼却ごみなど多岐にわたり、ここで支障が出ると、東海道貨物支線だけでなく南武支線から武蔵野線に至る広域なルートに影響が波及しかねません。
「運賃収入はさほど増えない、増発は難しい、貨物は通しづらい」とあっては、JR東日本としても運営するメリットが少なく、かつJR貨物とも調整が必要となるでしょう。
新しい区間の建設だけでなく、南武支線そのものの改良をJRに代わり市が主導して行い、線路・設備の委託料もそれなりに優遇することが解決への早道となりますが、2021年現在の川崎市は新型コロナウィルスの影響で歳入が大幅に減少し、長年の懸案である南武線・鹿島田駅などの立体交差ですら継続が危ぶまれています。この状態が続く限りは、川崎アプローチ線の着手はまだ先になるかもしれません。
【了】
Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
京浜東北線脇の堤根処理センターの空き地(駐車場?)の上を旋回させれば良いんじゃない?で、南武線の上を通してそのまま2階に短いホームを作る。川崎市が望んでるのなら簡単でしょ。八丁畷駅も通せるし、どうせ市の土地なんだろうから立ち退きも殆ど無いはず。考えてない?
八丁畷で京急に乗り換えればよい。
朝方に尻手から川崎行きに乗り替えてくる乗客、頼むから体重を預けて無理に乗り込むのはヤメて。
こっちはサンドバッグじゃないんだから