150トンで「引き金」に? 太平洋戦争前夜 小型すぎる米武装ヨットの危険な任務とは

旧日本海軍の機動部隊が真珠湾攻撃のため北太平洋を南下していたまさにそのとき、同じ太平洋の西の一隅では、アメリカ海軍の小さな武装ヨットがとある任務についていました。フネに見合わない危険すぎる任務、その「意味」に迫ります。

陰謀論か否か 「ラニカイ」が課された任務の「真の目的」

 当時のベトナムはフランス領インドシナと呼ばれ、日本軍が進駐していました。カムラン湾は兵站上、重要な港湾であり、小型過ぎる武装ヨットとはいえ、星条旗を掲げ武装したアメリカのフネが接近すれば、どうなるかは想像に難くありません。

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後部マスト付近に搭載された3ポンド(47mm)砲。メモ書きから1941年12月にマニラ湾で撮影されたものと見られる(画像:アメリカ海軍)。

 公式な命令は「日本の動きを観察して無線で報告すること」でしたが、無線を発すれば日本側にも容易に傍受され、そして存在がバレれば逃げることなど到底できません。「ラニカイ」に期待された任務は「アメリカにとって『不測』の事態を起こすこと」、すなわち日本軍に「最初の1発を撃たせること」だったといわれます。

 見つかりやすく逃げられないフネなら、確実に日本軍に拿捕されるか攻撃されます。そしてそれが開戦の口実になります。アメリカは、まさか日本海軍の機動部隊がハワイ真珠湾を突いてくるとは思わず、日米開戦のキッカケは南シナ海、フィリピン方面と想定していたので、こうしたエサを用意したようです。

 先に紹介したように、アメリカ大統領がたった3隻の防衛情報哨戒隊の編成命令を出した記録が、はっきり残っているのも意味深です。指揮をとったケンプ・トーリー中尉はのちに海軍少将まで昇進し、退役後『ラニカイの航海』という冒険小説を書き、日本軍に攻撃されることが任務であったことを示唆しますが、どこまで真実を書いているかは分かりません。

【図】危険すぎる任務 「ラニカイ」のたどった航路

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