あり合わせ上等! で急造したけどけっこう使えたWW2期の戦車や自走砲など陸上兵器5選

絶望的に武器不足だからトラクターに砲を乗せよう! 「ZiS-30」

 1941(昭和16)年6月22日、突如ドイツ軍に攻められたソビエト連邦は、ドイツ軍装甲師団の機動力に翻弄され、わずか1か月で戦車などの装甲車両や火砲を多く失いました。

 同年7月には相手の機動力への対応と、戦車などの車両不足を補うため、野砲または対戦車砲を既存の車両に取り付ける自走砲化が考えられます。そのとき開発されたのが、このZiS-30です。

 動けばとりあえず構わない、と戦場からT-20「コムソモーレツ」という小型装甲牽引車をかき集め、車体の中央にZiS-2 57mm対戦車砲を取り付けた、いかにも急造な兵器となっています。

 9月末には早くも引き渡され、モスクワ周辺防衛用に集中的に配備された同車両は、10月2日から開始されたタイフーン作戦(モスクワ周辺での戦い)で、100両程度の貴重な対戦車自走砲として危機を乗り越える手助けをしました。

 安定性や居住性は悪く、乗組員を守る装甲にも不安があったといわれていますが、搭載した57mm対戦車砲は当時のドイツ戦車の装甲を全て貫通することが可能で、待ち伏せ攻撃で真価を発揮したといわれています。

古くなった戦車の車体で新車を作ろう! 「マルダーIII」

 独ソ戦開始以降、常にドイツ軍は戦車など装甲車両の不足に悩むようになります。そこで、装甲部隊に追従できる対戦車自走砲を開発しようと考えます。

 これら対戦車自走砲はI号、II号戦車などの旧式化した車体に、鹵獲したソ連製の野砲や自国製の7.5cm対戦車砲を搭載しました。そのなかでもチェコ製の「38(t)戦車」をベースにした「マルダーIII」は、ベース車両がI号、II号戦車より自走砲化に適したうえに、もともと信頼性の高いものでした。

Large bundesarchiv bild 101i 217 0485 28  russland süd  panzerjäger marder iii

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「マルダーIII」(画像:Bundesarchiv、Bild 101I-217-0485-28/Scheffler/CC-BY-SA 3.0、CC BY-SA 3.0 DE <https://bit.ly/3fqEiTK>、via Wikimedia Commons)

 この車体に、対戦車能力の高い、通称「ラチェ・ブム」と呼ばれたソ連製の「F-22 76mm野砲」や、それを対戦車砲に改造した「7.62 cm PaK 36(r)」を搭載することで、条件によってはソ連軍戦車と十分にわたり合えました。

 1942(昭和17)年の中旬から東部戦線や北アフリカ戦線で使用され始め、以降、何度かカスタムを施しつつ戦争が終わるまで使用されました。

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コメント

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2件のコメント

  1. 記事で説明の有るラッチュバムを積んだマルダーは
    マルダーIIIですが、
    写真のマルダーは、恐らく7.5cm PaK40を積んだマルダーIII M型で少し違います。

    • ご指摘ありがとうございます。修正しました。