旅客便「コードシェア」ってナニ? コロナ禍で再注目「航空業界の革命児」になった過去

ANAとピーチが開始することで注目が集まる「コードシェア」、これはどういったものなのでしょうか。利用者にとっては悩みのタネともなりえるこの概念、歴史を振り返ると、さまざまな革命を起こしています。

現在のコードシェアの状況 コロナ禍で変化も?

 時は下り、2021年現在では先述の通り、コードシェアの動きは広がり続けています。

 冒頭のピーチとANAのような「LCC運航便をフルサービスキャリアがコードシェア」というのは、ジェットスター・ジャパンとJALも成田、関西空港発着便などで実施しており、ここでは、ジェットスター便がJAL国際線からの乗継便としての役割も担っています。

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ジェットスター・ジャパンの飛行機(乗りものニュース編集部撮影)。

 航空会社は、世界的な規模でグループを組みマイレージの提携などを行う「航空連合」に属していることが多く、コードシェアもこの同じ連合内の会社で提携されることが一般的です。たとえばJALは「ワンワールド」、ANAは「スターアライアンス」という連合に属しており、JALであれば同じ「ワンワールド」のアメリカン航空やブリティッシュエアウェイズと、ANAであれば同じ「スターアライアンス」のユナイテッド航空やシンガポール航空とコードシェアするいった具合です。

 ただ、連合加盟前の提携関係や、連合内に希望する行き先が無いなどの理由から、連合外の会社ともコードシェアを組むようになっています。「ワンワールド」のJALが「スカイチーム」に所属するエール・フランスや大韓航空と、「スターアライアンス」のANAが「スカイチーム」に所属するアリタリア航空と共同運航するといったものです。

 今後は国内ローカル線において、JALとANAが共同で、地域航空会社とコードシェアを始めるといった報道も一部で出ています。新型コロナウイルス感染拡大で、コードシェアを取り巻く事情も、もっと変わるのかもしれません。

【了】

Writer:

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

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コメント

1件のコメント

  1. 先日ベラルーシのミンスクに着陸させられたライアンエアー機はルフトハンザとのコードシェア便でしたよね…