米空軍とウイチタ州立大学がタッグ 航空機の疲労を解析するため戦略爆撃機を全バラへ
道路上ですれ違ったら二度見しちゃいそうです。
超音速可変翼爆撃機を素っ裸へ
アメリカ空軍ライフサイクル管理センター(AFLCMC)は2021年6月8日(火)、航空機の金属疲労が飛行性能や各種操作に与える影響を研究するためにB-1B「ランサー」戦略爆撃機(機番86-0101号機)を解体し、検査していることを明らかにしました。
これは、カンザス州ウイチタにあるウイチタ州立大学航空研究所(NIAR)による研究プロジェクトの一環で、空軍はそれを後援するために機体を提供したといいます。
B-1B「86-0101」号機は1986(昭和61)年に製造された機体で、2021年4月19日に運用から外れ、退役したそうです。主翼、水平尾翼、垂直尾翼、降着装置などを6週間かけて取り外したのち、特別構造の輸送用トレーラーを用いて、オクラホマ州のティンカー空軍基地からカンザス州ウイチタまで165マイル(約265.5km)の距離を陸送されてきたのとのこと。
ウイチタのNIARでは胴体からすべての塗料やプライマーを除去し、製造以来、手が付けられることのなかった領域を含む、全部分の亀裂や腐食を探し出して航空機の精密検査を行う予定といいます。
AFLCMCは、今回のNIARへの協力によって、第一線飛行隊から出るニーズに先回りした修理の見積もりが立てられるようになり、老朽化した爆撃機の機体管理をより包括的に行うことができるようになるとしています。
なお、AFLCMCのB-1システムエンジニアリング部長であるジョセフ・レイ空軍大佐は「これは、B-1運用部隊の安全性を確保するための素晴らしい機会です」とコメントしています。
【了】
※一部修正しました(6月18日17時30分)。
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