装甲車も「乗り心地重視」の時代へ なぜ世界の軍隊は歩兵の居住性を気にしだしたのか
装甲車の居住性重視はなにより実利的理由から…?
「エイジャックス」は先に紹介したように、ストライク旅団(深部偵察攻撃旅団)向けの偵察装甲車で、歩兵は深部偵察任務で長距離、長時間を乗車することになります。しかし強力な火器を載せ、厚い装甲を被せて、最新のデジタル機器を詰め込んだ新型車でも、重装備を抱える歩兵が騒音で乗りもの酔いするようでは到底、受け入れられるはずはありません。開発が遅延しているなか、新型車に試乗した現場部隊がクレームを出したのは健全といえます。
装甲車も乗りものです。ユーザーである兵士の安全と健康を守るのは基本です。各メーカーが居住性向上の技術開発にしのぎを削っているのは乗用車メーカーと全く同じ事情ですし、それが装甲車の技術進歩に繋がっています。
アメリカ陸軍のM2の、車外にくくり付けられたたくさんのリュックサックは、はた目にも行動中に落とさないか心配になります。下車して自分のリュックサックが無くなっていたら、とてもショックでしょう。「エイジャックス」がリュックサックの収納まで配慮されているかはわかりません。
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Writer: 月刊PANZER編集部
1975(昭和50)年に創刊した、40年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。
最後の段落で急に頭悪くなるやん