神戸市地下鉄海岸線が開業20周年 街をどう変えた?「幻の通勤路線」代替も経営厳しいワケ

神戸市営地下鉄海岸線が2021年7月7日で開業20周年を迎えました。鉄道空白地帯を結ぶ新路線としてスタートし、震災を乗り越えて開業しましたが、現状はどうなっているのでしょうか。

厳しい経営状況の打開なるか

 海岸線は神戸市の中心市街地を貫く路線であるにもかかわらず、利用客数は当初から目標値を下回り、2019年度も約34億円の赤字となっています(ただし、西神・山手線が約49億円の黒字を計上しているため、地下鉄事業全体では約15億円の黒字)。

 開業5周年に際して2007(平成19)年に市が発表した報告書では、利用者が伸び悩んだ要因として、自動車利用者が想定より多く地下鉄利用への転換人口が少なかったこと、沿線人口や沿線事業所の就業人口が減少傾向にあること、短距離の利用者が地下鉄ではなく徒歩やバス、自動車を選択している現状を挙げています。

 これは先述の利用者数からも、「和田岬周辺の工場通勤者を中心に、新長田・ハーバーランド・三宮・花時計前の各駅で他線から乗り換える」といった利用が多く、日常の移動手段として駅間を利用する需要は少ないことが伺えます。

 市では「海岸線ランニング収支の黒字化に向けたより一層の改善」を財政目標に挙げていますが、前述のように、海岸線が旅客を独占するエリアが兵庫区の臨海地帯のみと小さいこと、他路線との乗り換えが不便なことなどの地理的要因も大きく、具体的な経営対策としては集客増のキャンペーン実施や駅広告収入の強化などにとどまっており、抜本的な打開策を打ち出せていないのが現状です。

 とはいえ、バス中心の交通を鉄道へ転換したこと自体は、渋滞の緩和や、温室効果ガスの排出量削減など、社会全体に対する一定のプラス要素として見ることもできます。

 ICカード利用拡大に伴い、改札機や券売機など駅施設の簡略化が各地で進むなど、ランニングコスト削減に寄与する新技術も普及しつつあります。また、現在進められている三宮駅周辺の再開発事業では、三宮・花時計前駅も事業範囲に含まれ、周囲の「三宮駅」全体の一体化を図るとされています。あわせて、「地下鉄に乗るくらいなら最初からバスやJR・阪神を使おう」と考える利用者をどう引き込んでいくかが、引き続き鍵になっていきそうです。

【了】

※一部修正しました(7月8日10時52分)。

【地下鉄に直通「乗ったら終点、駅ふたつしかない鉄道」が神戸にあった】

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コメント

2件のコメント

  1. >JR和田岬線は和田岬駅と兵庫駅を結ぶ1駅だけの「東海道本線(JR神戸線)の支線」

    「山陽本線(JR神戸線)の支線」です。

  2. 神戸市地下鉄海岸線三宮・花時計前から中之島まで延長され神戸市久元市長さんへ新しい✨🆕✨7000形6両編成され工事して下さい来年も最後まで宜しくお願い致します❗

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