哨戒機なぜ丸腰に? ゴテゴテ武装が不要になったワケ でも過去にはヤル気まんまん空対空ミサイル積んだ例も

第2次世界大戦中の対潜哨戒機には、前後左右を攻撃できる銃座がありました。しかし、いまでは銃座を備えた哨戒機はほぼ存在しません。その変遷の渦中にあったP-2対潜哨戒機に、銃座がなくなった理由を探ります。

イギリスの対潜哨戒機が対空ミサイルを装備したワケ

 しかし第2次世界大戦後、技術の進歩で、潜水艦が徐々に浮上状態での対空戦闘を行わなくなっていったため、P-2「ネプチューン」についても機首と尾部の銃座は早々に廃止されました。特に尾部銃座に関しては、機尾から後ろにツンと突き出したMAD(磁気探知機)の装備に際して、機体の金属や搭載している電子機器との干渉を減らすため、機体からできるだけ離して装備する必要性もあっての廃止と変更でした。

 唯一残った背部の旋回式銃座は、比較的低空を飛ぶ哨戒機の場合、敵戦闘機に上方から襲われるケースが多いこともあってしばらく残されていたものの、これも哨戒飛行中に敵戦闘機と遭遇する機会が激減して必要性がほぼなくなったため、その後撤去。以後、海洋哨戒機(対潜哨戒機)は、後継のP-3「オライオン」やP-8「ポセイドン」なども含めて銃座を装備することがほぼなくなっています。

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1952年9月、日本本土に駐留していたアメリカ海軍航空隊のP-2「ネプチューン」対潜哨戒機。初期型のため、機首や機尾、背部に銃座(赤い矢印の部分)を備えている(画像:アメリカ海軍)。

 ただ、銃座こそ備えていないものの、自衛用の空対空火器を搭載したことはあります。代表的なのは、1982(昭和57)年のフォークランド紛争に際し、イギリスの「ニムロッド」対潜哨戒機が、空対空ミサイルを搭載した例でしょう。

 これは、「ニムロッド」が敵であるアルゼンチン軍の戦闘機と不意に会敵する可能性の高い海域を飛行することから、急遽アメリカ製の「サイドワインダー」ミサイルを運用できるよう改修され、同ミサイルを搭載して実戦に参加したものです。

 かつてのプロペラ機時代の機銃座の増設とは異なり、サイドワインダー運用能力の追加は、機体設計上の大幅改修などを必要としないので、もしかしたら今後、緊迫する海域の洋上哨戒を行う場合、必要に応じてアメリカ海軍のボーイングP-8「ポセイドン」や日本の川崎P-1などにも、空対空ミサイルの運用能力が付与されることがあるかも知れません。

【了】

【写真】空対空ミサイルを装備したイギリスのニムロッド対潜哨戒機

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

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コメント

4件のコメント

  1. AI自爆ドローンを禁止しないとこうした飛行機もロストテクノロジーになってしまうのですかね

  2. ニムロッド哨戒機にサイドワインダー搭載したのはアルゼンチンが国営航空のボーイング707を使って大西洋上の長距離哨戒飛行を始めたため英国から出た機動部隊の位置情報等をつかまれると戦闘に支障があるのでニムロッドでも空対空攻撃できるという威嚇のための搭載でした。結果として偵察飛行を辞めたため計画成功しました

  3. 海面スレスレでの戦闘であれば、ブルー・インパルスのように煙幕を噴射して視界を遮る機能も欲しいですね。

    ラピュタのドーラ一家のフラップターも地平に向かって逃げるときに煙幕を噴射して逃げています。

    • 第二次大戦中 なら意味があったかもね しかし おそらく 飛行機のだいぶ後ろじゃないと 煙幕が広がらないんじゃないかなだから結局 飛行機と 煙幕を分離することができてしまい 効果がないんじゃないかな

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