「ボーイング767」実は双子? 日本にトコトン縁がないナゾの傑作機「757」とは ところでなぜ無縁?

2機種が双子なのはなぜ?

 747の開発が完了したボーイング社ではその後、「7N7」、「7X7」という中小型機に革新的なデジタル技術を採り入れた機体の開発に着手します。もちろん、それまでも旅客機の技術は年を追うごとに進化していましたが、当時のスタンダードはアナログの計器がならぶコクピットでした。ここに液晶画面がならぶ現代的な「グラス・コクピット」が、ボーイング社の旅客機として初めて導入されることになります。

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JALのボーイング767。2021年もJALでは主力機のひとつだ(2021年、乗りものニュース編集部撮影)。

 デジタル旅客機としては、まず社内で「7X7」と呼ばれた機の開発が始まりました。ただ当時、比較的短距離の路線で主力機として投入されていた3発ジェット機727の後継機も必要との判断により、7X7よりひと回り小さく、727の代替機を目指した「7N7」の開発も始まります。

 こちらは707、727と同じように機内に通路が1本のみの単通路機である一方で、727の外観の特徴であるT字型の尾翼配置ではなく、現代ではスタンダードな胴体尾部を水平尾翼が貫くようなレイアウトとし安定性を高めているほか、エンジンの配置も主翼下に2基備えることとしました。

 こうして完成した2機種は、7N7が757,7X7が767として販売されるわけですが、両者の見た目は、それほど似ていません。ただ冒頭で“双子”と述べたとおりこの2機種は、深い関係があります。

 それまでの旅客機では、機種ごとに別々に操縦資格が必要でしたが、767と757はコックピットが共通のため、一定の訓練を積めば同じ資格で乗務できるとされました。運用するエアラインにとっては非常に効率的である一方で、パイロットから見れば「コックピットの景色はほとんど一緒」であり、ここが双子”たるゆえんです。

 さらに767、そして757は、エアライン側としては歓迎すべき旅客機でした。727では、機長、副操縦士、航空機関士の3名乗務となっていましたが、757、767では機長と副操縦士の2名(ツーメン・クルー)で運航できることとなったのです。

写真でサッと見る「トランプ氏仕様の757」

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コメント

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5件のコメント

  1. 757と737のストレッチ型の関係性がトーシロの自分にはわかりにくい。
    キャパシティが同じなら737の既存ユーザには737ストレッチの方がメリットを感じるなどは想像できるが。

  2. パイロットとして737,757,767と乗りましたが757が最も好きな機です。737はつぎはぎですし767はアンダーパワー、757はオーバーパワー 特にRB211が乗った機体は最高でした。

  3. 767のディスプレイ、CRTでしたよ。

  4. 757は元々727の置き換え用だった。
    ただ日本では同じ頃に航空利用者が増えたから767の方が都合よかったにすぎない。

  5. くどい説明で読むのが嫌になった。結論を先に書いてもらえますか。