「ボーイング767」実は双子? 日本にトコトン縁がないナゾの傑作機「757」とは ところでなぜ無縁?

なぜ「757」は日本で導入されなかったのか

 先述のとおり767はANA、JALでも採用され、国内線、国際線の両方で長年使用されてきた一方で、757は1機も採用されませんでした。これは、767の部品の多くが日本国内のメーカーで製造されていたことから導入が進みやすかったこと、国内線の利用者数が伸びており757ではキャパシティが小さすぎる一方で、ローカル線で使用されていた737はまだまだ健在で、新品を購入する必要性があまりなかったことなどが挙げられるでしょうか。

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ワシントン・ナショナル空港でのノースウエスト航空のボーイング757(種山雅夫所蔵)

 また、757は日本のエアラインが採用していないだけでなく、本来は「国内専用」の機体です。このため海外から日本への飛来実績も少ないのですが、2000年代になってノースウエスト航空(現・デルタ航空)の東南アジア方面への乗り継ぎ機材として、成田空港に数機が常駐していました。ちなみに、757の初来日は1982(昭和57)年。デモ機が羽田空港に飛来しましたが、これはイースタン航空の塗装をベースとして、垂直尾翼に757と描かれていました。

 世界的には好調なセールスを記録した757シリーズは、全長約47mの初期タイプ「757-200」が生産機数の大部分を占めています。実はその後、胴体を約7m延長した757-300というタイプが販売されましたが、こちらは55機のみと売れ行きは不調でした。

757-300の売れ行きが芳しくなかったのは、ライバルであるヨーロッパのエアバス社から、コンピューターによる運航を可能なベストセラー機A320シリーズの胴体延長タイプ「A321」といった派生型がデビューしたほか、自社内でも737に胴体延長型の発展型が開発され、そちらに需要が乗り移ってしまったことがおもな理由でしょう。

 ボーイング757は一見、「空の貴婦人」とも呼ばれた往年の名機ダグラスDC-8にも見間違えるほど、胴体が細くて長い印象を受けます。日本でこそ見かけませんが、この機がジェット旅客機の運航におけるコンピューター化、いわゆるハイテク化に果たした役割は大きかったと言えると思います。

【了】

写真でサッと見る「トランプ氏仕様の757」

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コメント

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5件のコメント

  1. 757と737のストレッチ型の関係性がトーシロの自分にはわかりにくい。
    キャパシティが同じなら737の既存ユーザには737ストレッチの方がメリットを感じるなどは想像できるが。

  2. パイロットとして737,757,767と乗りましたが757が最も好きな機です。737はつぎはぎですし767はアンダーパワー、757はオーバーパワー 特にRB211が乗った機体は最高でした。

  3. 767のディスプレイ、CRTでしたよ。

  4. 757は元々727の置き換え用だった。
    ただ日本では同じ頃に航空利用者が増えたから767の方が都合よかったにすぎない。

  5. くどい説明で読むのが嫌になった。結論を先に書いてもらえますか。