「高速そば」閉店は序章か? 新開地駅&メトロこうべ 昭和レトロ消えていく地下街
神戸高速鉄道・新開地駅の改札内にある「高速そば」が、2021年6月いっぱいで営業を終了しました。40数年も歴史を重ねた駅そばの閉店は驚きをもって迎えられていますが、実は新開地駅の改札内や地下街「メトロこうべ」も変わってきています。
「ものすごくハイスピードでそばが出てくるらしい」のウワサも過去のものに
阪急・阪神・山陽・神戸電鉄の電車が目まぐるしく行き交う神戸市兵庫区の「新開地駅」、その改札内で営業を続けてきた立ち食いそば店「高速そば」が、40数年間の歴史に幕を閉じました。
同店は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言中は休業を余儀なくされていましたが、営業再開後の2021年6月中旬頃から再度休業に入り、7月に入ってシャッターに「6月30日をもって閉店しました」とのお知らせが掲出されました。あっけない最期に驚く人々も多く、告知から1か月が経った今でも、シャッターを閉めたままの「高速そば」をしげしげと眺める人が後を絶ちません。
第三セクターである神戸高速鉄道の駅構内にある「高速そば」ですが、「高速」とついたその店名から「ものすごくハイスピードでそばが出てくるらしい」「常に高速で動いているため、実際に出てきたそばは残像に過ぎない」など、数々の話題を提供し続けてきました。そばが出てくるスピードは普通の立ち食いそば店と変わらないものでしたが、それでも混み合う時間帯には最速20秒ほどで提供されていたため、「食券を渡してカウンターで水を飲んでいたらもう出てきた」という高速ぶりは、あながち嘘ではありません。
関西ではかなり早い段階で定番化されたコロッケそばや、ぼっかけそば、キムチそば、和風ラーメンなど、豊富なメニューも魅力のひとつでした。また神戸電鉄ホームとの高低差のために生じている店全体の傾斜や、店内で育てられている水耕栽培のサツマイモなど、突っ込みきれない数々の特徴も、いまとなってはもう過去のものです。
そば屋が駅から全くなくなることはすぐにはないでしょう。改札外も含めれば。