「サンドイッチ駅弁」なぜ誕生 1世紀超えベストセラーの中身は? 地域色も歴史もサンド
名産品を挟んだり… 全国各地のサンドイッチ駅弁
今やコンビニでも手軽にサンドイッチが買えますが、駅弁屋が手がけるそれは“旅のお供感”があり、格別だと筆者(古屋啓子)は感じます。
東海道本線の静岡駅でも、サンドイッチ駅弁が買えます。大船軒と同じく120年以上の歴史をもつ「東海軒」が、1900(明治33)年に発売。フランス国旗を思わせるレトロな青・白・赤のパッケージで、具はハムと卵です。
「鮎ずし」や「栗めし」で知られるJR肥薩線の人吉駅(熊本県人吉市)にもサンドイッチ駅弁があります。「人吉駅弁やまぐち」が作るひと品で、ラインナップはタマゴサンドとハムサンド。具がたっぷりで、ハムサンドにはキュウリのほか隠し味のパイナップルも入っています。人吉駅は2020年の熊本豪雨以来、乗り入れ路線の被災により閉鎖されていますが、駅弁は駅前の店舗で健在です。
駅弁ファンから聖地とも呼ばれるJR中央本線と小海線の小淵沢駅(山梨県北杜市)には、特別なサンドイッチ駅弁があります。地元の駅弁業者「丸政」が提供する「甲州かつサンド」(豚または鶏)は駅の売店には置かれておらず、購入には30分前までに電話予約する必要があります。注文すると、揚げたて熱々のカツを挟んだサンドイッチが、駅まで届けられるのです。一般のパン屋でも時間を見計らわないとなかなかお目にかかれない揚げたてカツのサンドイッチを旅先で食べられるとは、贅沢なひとときです。
地元の名産品を具材に用いたかつサンドの駅弁としては、大山豚を使った「アベ鳥取堂」(鳥取駅)の「大山豚カツサンド」や、仙台駅の弁当屋「こばやし」の「牛たん煮込みカツサンド」などがあります。おいしい旅のお供を、全国で探してみるのも楽しいでしょう。
【了】
大変面白い記事で、大いに参考になりました。教えていただいたサンドイッチ弁当、今度その地方に行く時には、必ず食べようと思いました。
大船軒のサンドイッチは食べたことがありますが、謂れを知らなかったので、その意味でもありがたい記事でした。
ところで、小生は30年以上留学生人日本語を教えている者で、まあ言葉についてはそれなりの知識があるだろうと思います。その見地からちょっとこの文章について申したいことがあります。
一つ目は見出しの「一世紀超えベストセラー」。最近この「超え」というのを名詞として使う例が多いのですが、大変耳障りです。逆になぜこういう表現を平気で使えるのか不思議なくらいです。この見出しも「一世紀を越えるベストセラー」「一世紀以上のベストセラー」の方が遥かに自然な表現だと思います。どうしても字数を節約したかったら(その必要はないと思うのですが)「一世紀のベストセラー」でも十分かと思います。やはり書く時の表現は自然でわかりやすいものが良いと思います。
二番目は文中の敬称です。最近は過剰に敬語を使う傾向があり、それが丁寧と思っている節があるのですが、違和感をぬぐえません。具体的には「富岡周蔵氏」「黒田清隆氏」です。もう100年以上も前の人ですから、すでに歴史的存在です。それは呼び捨てでも一向に構いません。「仁徳元天皇」「豊臣秀吉元太閤」「徳川家康元将軍」「織田信長氏」が違和感があるのと同じです。過剰に「氏」「さん」、あるいは「様」をつけると、却って書き言葉として文章に傷がつくような印象を受けます。
本筋ではないことで意見を申し上げて失礼しました。記事自体は大変ありがたく、今後の旅行の楽しみにしようと思っています。(名前はハンドルネームですが、無責任な投稿ではありません)