SL牽引の客車なのに「キハ」って!? 国鉄50系客車 魔改造の果て

なぜ「SL銀河」にディーゼルカー?

 さて、JR東日本では「SL銀河」を運行するにあたり、なぜキハ141系を導入したのでしょうか。

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50系客車のオハフ51形を改造したJR北海道のキハ141系(キハ143形)ディーゼルカー(画像:写真AC)。

 実は釜石線には急勾配区間があることから、C58形蒸気機関車をサポートするために動力のあるキハ141系(キハ142形、キハ143形、キサハ144形)4両を譲り受けて改造したのです。

 JR東日本では改造に際して、車内を「宮沢賢治の生きた大正から昭和の世界観」としてガス灯風の照明やステンドグラス、植物のパーテーションなどを設けており、50系客車の面影はあまり残っていません。しかし、キハ141系700番台にはJR北海道では見られなくなった、エンジンを搭載しないキサハ144形が連結されています。C58形蒸気機関車のけん引でキサハ144形に乗車すれば、かつての50系の雰囲気を味わえるかもしれません。

 ちなみに、50系客車をディーゼルカーに改造した例はJR西日本にもあります。それがオハ50形を改造したキハ33形です。JR北海道のキハ141系よりも2年早い1988(昭和63)年に2両が登場し、主に境線や山陰本線で使われました。しかし、2010(平成22)年に廃車となり、このうちの1両(キハ33 1001)が「津山まなびの鉄道館」(岡山県津山市)で保存されています。

【了】

【写真】JR西日本にもあった! 50系改造のディーゼルカー

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コメント

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2件のコメント

  1. 東武みたいに無粋な国鉄色のDLを補機に付けるよか全然良いよね
    元客車だというのもあるけどカラーリングがね
    東武もDE10と14系の色を合わせるなりすればまだマシなのにね

  2. キハ141系は苗穂の技術力の高さを示した名車ですね
    おふざけでもなんでもなく自走客車なのが面白いです