ボーイング737「飛行中もタイヤ丸見え」の謎 カバーなしでも爆売れ半世紀 実は効果抜群?
ボーイング社屈指の大ベストセラーモデル「737」、この機には半世紀以上踏襲されている変わった機構があります。主脚のタイヤ部分のドアがなく、飛んでいるあいだもタイヤが丸見えなのです。なぜなのでしょうか。
前世代、同世代の旅客機はだいたい「扉付き」
タイヤを格納する引き込み脚を装備した旅客機は、レシプロ機の傑作モデルであるダグラスDC-3がデビューした第二次世界大戦前から一般化してきました。同機はプロペラ・エンジンと地上との距離を保ちやすい尾輪式の車輪レイアウトを採用し、飛行中は、主脚を前方に引き込みます。ただ、飛行中はタイヤの一部が収納庫から出っ張っているような感じで、現代の旅客機のように、きれいに格納しているわけではありませんでした。
これまでのエンジンの高性能化、空気抵抗に関する実績と研究の成果から、大気中の物体は、出来るだけ凸凹がない形状にした方が、空気抵抗が少なくなることがわかっています。当然、旅客機も同様です。
そして戦後、ボーイング707、ダグラスDC-8、デ・ハビランド「コメット」など草創期のジェット旅客機は、脚を収納するときにはカバーをして、空気が滑らかに流れるようにしています。その後、ボーイング727、シュド・カラベル、BAC1-11などの3発旅客機もデビューしますが、こちらも同様のカバーが施されました。
一方、727とほとんど同世代にもかかわらず、カバーがない飛行機があります。それがボーイングの超ベストセラー機「737」です。この機は、離着陸で空中にあっても主脚のタイヤがむき出しで、高度を上げて主脚を格納しても、下から見るとタイヤが丸見え。なぜ、737は、他のジェット旅客機のように脚カバーを装備していないのでしょうか。
その理由としてまず考えられるのは、737の用途です。初期タイプのスペック上の航続距離は3000~4000kmで、席数も100~150席といったところ。ただ、このモデルのおもなターゲットは、50~60人の乗客を乗せ、長くとも2000kmに満たないような、ごく短い距離の路線です。
蓋の有無での冷却効果の差というのは、外気温-50度という環境で特筆すべき内容なのでしょうか?外気温-50度の中、40分近く飛行して、100度だったブレーキディスクの温度を保持するほうが難しいと思いました。誰でも思いつく疑問だと思うので、この効果があるというのであれば、計測値(理論値でも結構ですが)示したほうが著者の名誉を保てると思います。