香港のタクシー最新事情 日本と似ている点や似てない点も 利用時に注意すべきことは?

香港のタクシー「あるある」

 香港のタクシーには基本的にカーナビは搭載されていません。小さい街なのでタクシードライバーが道路を把握している面があるからでしょう。もしドライバーが行先をわからない場合はスマートフォンの地図機能を利用することが多いです。

 16時台はシフトの関係でタクシードライバーの交代時間ということもあり、流しのタクシーはなかなか見つかりません。筆者の場合、この時間帯は流しのタクシーに乗るのを諦め、普通のタクシー乗り場か大型ショッピングモールのタクシー乗り場に向かうようにしています。乗車できる時間が短縮されることが多いのでお勧めです。

 香港において面倒なのがお釣り事情かもしれません。支払い時に1000香港ドル紙幣や500香港ドル紙幣の高額紙幣を出すと断られる場合があります。また、1ドル以下のお釣りは返ってこないことが多いです。もちろん、お釣りは乗客に返さないといけないのですが、香港社会の暗黙の了解でチップ替わりになっている状況です。もちろん「お釣りを返して」と言えば、ちゃんとお釣りが戻ってきます。

 一方で電子マネー「オクトパス」に対応しているタクシーもあり、その場合はお釣りの問題は起こりません。領収書(レシート)はドライバーに言えば普通にもらうことができます。

 なお、道路脇には黄色で2重の線が引かれている場合があります。これは駐停車禁止の意味なので、乗車も下車もできないので気を付けたいところです。

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多くの人でにぎわう香港の中環(セントラル)の交差点。道路脇には2重の黄色い線があり、この場所ではタクシーの乗降はできない(2020年6月、武田信晃撮影)。

 香港らしいのは、ドライバーが運転台周辺にとりつけたスマホで、運転中にもかかわらず株の売買をしています。勤務中の売買について、交通安全や倫理の話は別として、金融都市である香港ならではです。ほかにも個人的にスマホの配車アプリに複数登録して予約を受けたり、時には同僚に予約の依頼を回したりするドライバーもいます。それこそ何台ものスマホが運転席周辺にある異様な光景ですが、安全の問題などから香港政府は規制する方向で動いています。

※ ※ ※

 香港のタクシーは日本と似ている部分もあり、似ていない部分もあります。しかし、料金が安いのと日本車がほとんどなので、外国ではあるものの心理的に利用するハードルが下がる感じがします。

【了】

【写真】日本とちょっと違う 香港のタクシーの領収書

Writer: 武田信晃

新聞記者、編集者として勤務した後、フリーランスのジャーナリストとして独立。香港と日本の政治・経済、社会などを中心取材するほか、国内外で行われているスポーツについても取材・執筆をしている。

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