護衛艦「いずも」に初めて戦闘機が発着艦 その時ひるがえった「旗」は何を意味する?

海自護衛艦「いずも」がF-35B戦闘機の発着艦検証作業に臨みました。この時「いずも」のマストには白地に赤四角の旗が掲揚され、海自が公開した動画にもその意味深げなカットがみられます。もちろん、意味深なものでした。

海上自衛隊史上初 護衛艦に戦闘機が発着艦

 2021年10月3日(日)、海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」にて、アメリカ海兵隊岩国基地に配備されている第242戦闘攻撃中隊(VMFA-242)所属のF-35B戦闘機が、飛行甲板での発着艦に関する検証作業を実施しました。海上自衛隊の護衛艦においてヘリコプターなどの回転翼機ではない、いわゆる固定翼機が発着艦を行ったのは、その67年の歴史上、初めてとなります。

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「いずも」に掲げられたF旗(左の白地に赤四角の旗)。Youtube 海自公式チャンネル動画『【ショート版】護衛艦「いずも」での発着艦検証作業』より(画像:海上自衛隊)。

 実はこの試験に際して、「いずも」の艦橋の上に設置されているマストに、白地に赤い四角形のマークがあしらわれている旗が掲げられました。これは、艦艇間の通信に用いられる「国際信号旗」と呼ばれるもので、アルファベットを表す26種類の「アルファベット文字旗」や、1から10までの数字を表す「数字旗」など、さまざまな色や模様があしらわれた40種類の旗で構成されています。そして、この時「いずも」に掲げられたのは、アルファベット文字旗の「F」でした。

艦船間の通信に用いられる「国際信号旗」

 国際信号旗は世界中の船舶で用いられており、これを使用した信号を「旗りゅう信号」といいます。旗そのもの、あるいはその組み合わせで意味をなすというもので、緊急、重要または最も頻繁に使用される通信に用いられる「1字信号」(信号旗1枚)、航海と人命の安全に関する通信に用いられる「2字信号」(信号旗2枚)、そして医療関係の通信などに用いられる「3字信号」(信号旗3枚)に分類されます。それぞれの意味については、1857年に英国で刊行され、現在では海洋に関する国連の専門機関である「国際海事機関(IMO)」が取り扱っている「国際信号書」にまとめられています。

 ちなみに、1字信号としてアルファベット旗を用いる場合と、2字信号としてそれと同じ旗を用いる場合とでは、その意味が大きく異なります。たとえば1字信号の場合、「U」は「あなたは危険に向かっている」、「W」は「私は医療の援助が欲しい」となりますが、これらを2字信号の「UW」として用いると、「ご安航(安全な航海)を祈る」を意味することになります。

【画像】おなじみZ旗も 国際信号旗の文字旗 数字旗 代表旗

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