真珠湾攻撃 アメリカは「自衛権」をいつ発動できる? 歴史のIF 国会での議論の顛末

楢崎議員が明らかにした日本政府の考え

 つまり楢崎議員の質問は、先ほど挙げた真珠湾攻撃における3つの時点の内のどこで武力攻撃が発生したと日本政府は考えるのか、という内容です。これに対して日本政府は、質問から約1か月後の3月18日に衆議院予算委員会で政府統一解釈を示します。ここで日本政府は、どの時点で武力攻撃が発生したかは「そのときの国際情勢、相手国の明示された意図、攻撃の手段、態様等々による」ため、抽象的または限定的な仮設例を使って論じるべきものではなく、従って政府としては「(質問にある)3つの場合について、武力攻撃発生(中略)の時点を論ずることは、適当とは考えない」としました。

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1941年12月8日(日本時間)、真珠湾にて攻撃を受けたアメリカ海軍の戦艦「カリフォルニア」(画像:アメリカ国立公文書記録管理局)。

 しかし、これでは一見すると質問に答えているようには見えないため、当然、楢崎議員はこの答弁に納得せず、再び政府の考えを厳しく追及しました。その結果、日本政府はついに武力攻撃が発生した時点についての考えを明らかにしました。その内容を短くまとめると、「実害が生じた時点ではないが、単に攻撃のおそれがある場合でもなく、武力攻撃の目的をもった軍事行動が現実に開始されたとき」に武力攻撃の発生が認められるというものです。専門的には、これを相手国による武力攻撃への「着手」といいます。

【写真】真珠湾に入港する「はくりゅう」

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