渋谷駅員、闘う 凶器をもった不審者を取り押さえ 鉄道4社と警察で合同訓練
午前中の渋谷駅ハチ公口の一部を閉鎖し、テロ対応の訓練が行われました。駅から避難する利用者、その後に怒号を上げながら暴れまわる不審者――京王線の事件以降、鉄道各社は警戒感を強めています。
避難、犯人確保、救護の流れ確認
2021年11月30日(火)、人であふれる平日午前中の渋谷駅が、一時、物々しい雰囲気に包まれました。ハチ公口には、柄の長い棒にU字型の金具がついた護身具「さすまた」を持った駅員や警察官が集結。乗り入れ鉄道4社と渋谷警察署の合同によるテロ対応の訓練です。
訓練は10時頃から、JRハチ公口の改札の一部を封鎖して行われました。やがて、改札ゲートに立つ駅員の誘導で、避難する利用者を想定した人々が次々と駅の外に駆け出してきました。
その後、改札の奥からは怒号が聞こえてきました。凶器を持って暴れる不審者です。「さすまた」を構えた駅員らにより、駅の外へ追いやられてきました。不審者は外で待ち構えていた警察官に襲い掛かりましたが、警察官はスラリとかわし、不審者を羽交い締めにして取り押さえ確保しました。
その後はけが人の救護訓練のほか、渋谷警察署のレクチャーによる駅員への「さすまた」の訓練も実施。「さすまた」を、不審者の上半身に突きつけ、相手が持つ凶器が届かない距離を確保しながら対峙する方法、腰のあたりに突きつけ、相手の動きを封じながら壁などへ追いやる方法などを4社の駅員が実践しました
8月に小田急線で、10月に京王線で発生した刺傷事件を受け、鉄道各社は警戒を強めています。不審者対応を想定した訓練も盛んに行われていますが、渋谷駅のように複数の事業者が乗り入れるターミナル駅では、各社の連携が不可欠です。今回の訓練により、警察と駅員は利用者の安全を守る一連の流れを確認したといいます。
【了】
消防署の地図記号がさすまたですよね