西九州新幹線 佐賀区間「3つの宿題」どう進展? ルートや在来線問題議論も国県溝深く
「宿題」を提出した国交省、県の「採点」は?
まず佐賀県内のフル規格新幹線のルート案の比較について、3案の比較検討結果が提示されました。3ルートとは、新鳥栖から分岐する「佐賀駅を通るルート」「佐賀市北部を通るルート」と、筑後船小屋から分岐する「佐賀空港を経由するルート」です。
整備延長はいずれも約50kmと差がありませんが、建設費は佐賀駅ルートで約6200億円に対し、空港経由ルートは約1兆1300億円。さらに新幹線整備による収支改善効果も前者が年間約86億円に対し、後者はほぼ皆無。評価結果として、佐賀駅ルートがベストと結論付けられています。
新幹線開通後の在来線については、役割が新幹線に移行すると国は明言。フル規格新幹線の開通後は、在来線特急は廃止の方向で考えていると明らかにしました。
ルート選定資料については数値根拠を確認するやり取りにとどまったものの、議論はやはり前提となる、そもそもフル規格新幹線ありきで話を進めるのはどうなのか、というトピックが中心に。
1時間45分の協議の中で県は「九州全体やアジアの成長の話ばかりで、佐賀県そのものにどう受益があるのかを教えてくれない」「佐賀県民の暮らしに一番直結する、在来線特急での福岡方面などへの移動利便性が低下しないかどうか、それに対する国の考えを教えてくれない」と終始不満をあらわに。予算を組んで大金を出す以上、「県民がどれだけ得をするのか」ということが少しでも説明できないと、県としても県民に説明をしようがないという事情もあるのでしょう。
また、フリーゲージトレインについては、国が「耐久性・経済性の両面において、最高速度を引き下げても、270km/hの開発を断念した段階と同様の課題が残ることから、その開発に予算や時間を費やすことは現実的ではない」と提示するのに対し、県はやはり「最高速度を200km/hに引き下げれば、実現可能なはず。可能性を残すべきだ」と議論は平行線のまま。引き続き、国は県が納得する、フリーゲージ断念に至る技術的根拠を示す必要に迫られていると言えるでしょう。
フル規格新幹線について県側は「100年先を見たら、我々が今考えもしていないところで、ひょっとしたら佐賀県が考えるべき要素があるのかもしれない」と、譲歩の余地も示しつつ、地元不在で議論が不十分だという現状認識は変わらず、協議は閉会。「宿題」で例えるのであれば、「出題意図を整理したうえで、再提出」といったような形で、第6回へ引き継がれることになりました。
【了】
ありがとうございます。このままだと当面のあいだ(つまり実質永遠に)箱庭営業(武雄以西のみの営業で他線との接続がない状態)になるようですね。
(私案)
・佐賀駅付近に複線線増するスペースはないので佐賀市北部ルート
・新鳥栖〜佐賀駅は在来線で11分なのでリレー号を走らせる
・新鳥栖の西九州新幹線アプローチが上下どちらかだけなら両側ホームとして佐賀リレー号と対面乗り換え
・佐賀県の費用分担が焦点
国は、佐賀県の要望は受け付けないと回答しました。
これでは、佐賀県が新幹線を受け入れる余地はないでしょう。
法律を変えて、自治体の意向と関係なく建設するようにしない限り、建設は出来ないでしょうね。
フリーゲージトレインは技術的にムリ、というのが結論とされているが、本当のところはどうなのか。
佐賀県に妥協させるため、予め国とJR九州が書いておいた筋書なのではないか?
いずれにしても、西九州新幹線全線のフル規格開業は、今のままでは半永久的にあり得ないだろう。
そのとおりですね。仮に来年2022年秋に武雄以西で開業したとしても、当面のあいだ(つまり実質永遠に)箱庭営業(多線とでは繋がらない状態)になるでしょう。
佐賀県は半永久的に発展しないだろう!今の知事は方便だけで、逃げている!
県の不満のコメントの部分ですが、記事の捉え方が実際の議論とは逆ではないでしょうか?
県は、「佐賀県のことだけを語るのであれば、佐賀県は要らないと、もともと言っている。ただ、九州全体、アジアの成長を取り込むんだと、100年先を見据えて考えていくんだといったときには、ひょっとしたら違うものがあるのかもしれないと。」
と発言されており、記事の件の佐賀県そのものの受益に終始しているニュアンスとは逆に
九州全体、アジアの成長などの視点があるなら国交省として提案してほしいと言っているのに対して、
国交省側は県が、分かりませんと言ってしまっています。
なんの事でしょうか?「九州はひとつ」との事でしょうか?当たり前の事でですけど…。九州は2つもあるのですか?第一に「九州はひとつ」と言うキャッチフレーズ自体当たり前すぎて呆れるぐらいです。九州が2つ、つまりパラレルワールドみたいな九州があるのならば是非とも2つ目の九州を見てみたいものです。以上。