“小さな船体に盛り沢山の武装” 日本のお家芸に世界が驚愕 軍縮条約の申し子「特型駆逐艦」

1930年に発効したロンドン海軍軍縮条約では、駆逐艦の保有数や内容が細かく制限されました。画期的な高性能を有する日本の特型駆逐艦を狙い撃ちにした規定とも言われますが、どうしてそうなったのか見てみます。

画期的だった吹雪型駆逐艦

 日本は1923(大正12)年に就役した夕張型軽巡洋艦で、小型の船体に重武装を施すという軍艦の開発実績を構築していました。この結果、1928(昭和3)年に就役した吹雪型駆逐艦は、既存の睦月型駆逐艦や他国の同時期に開発された駆逐艦を圧倒する高性能駆逐艦となりました。以下が比較になります。

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旧日本海軍の駆逐艦「雷(いかづち)」(画像:アメリカ海軍)。

・睦月型(1番艦1926年就役):基準排水量1315トン、120mm砲4門、610mm魚雷発射管6門、速力37.25ノット(約69km/h)

・吹雪型(同1928年就役):基準排水量1680トン、127mm砲6門、610mm魚雷発射管9門、速力38ノット(約70.4km/h)

・アマゾン級(イギリス:同1927年就役)基準排水量1352トン、120mm砲4門、533mm魚雷発射管6門、速力37ノット(約68.5km/h)

・「コドリントン」(イギリス:1930年就役)基準排水量1540トン、120mm砲5門、533mm魚雷発射管8門、速力35ノット(約64.8km/h) 

・ラドロア級(フランス:同1929年就役)基準排水量1378トン、130mm砲4門、550mm魚雷発射管6門、速力33ノット(約61.1km/h)

・シャカル級(フランス:同1926年就役)基準排水量2126トン、130mm砲5門、550mm魚雷発射管6門、速力35ノット(約64.8km/h)

・トゥルビネ級(イタリア:同1927年就役)基準排水量1070トン、120mm砲4門、533mm魚雷発射管6門、速力36ノット(約66.8km/h)

 こうして列記してみると、吹雪型駆逐艦、すなわち特型駆逐艦が排水量の割に、主砲や魚雷発射管の門数では多く、脚は速いのがわかります。

 なお、アメリカは第1次世界大戦中に、平甲板型駆逐艦(常備排水量1090トン、100mm砲4門、533mm魚雷発射管12門、速力35.3ノット〈約65.4km/h〉)を267隻も建造したため、ワシントン条約直後の駆逐艦建造は行っていません。

 また、フランスは軽巡洋艦と駆逐艦の中間となる大型駆逐艦を重視しました。吹雪型の翌年に就役したゲパール級では、基準排水量2436トン、138mm砲5門、550mm魚雷発射管6門、速力35.5ノット(約65.7km/h)となり、その船体サイズは同時期の他国駆逐艦と比べて1000トンも大きいものとなっています。

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コメント

1件のコメント

  1. 日本の特型駆逐艦は護衛艦としての能力は低い。主砲両用でなく高角砲もない、機銃しかない。技術開発力の問題だが対潜能力も低い。一方で魚雷再装填装置がついていたり艦隊決戦目的で設計されていることがよく分かる。そして実際は護衛任務がメインだった。"駆逐艦"としてはフレッチャー級のほうが優秀だろう。

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