優雅なる展望客車、元は通勤形電車!? 大井川鐵道スイテ82形 立ってたら真っ黒になる運用も

めったに乗車できないという意味でもレア車両

 旧国鉄の客車には、設備のグレードを示す帯が施されていた時期がありました。スイテ82形は1等展望車をイメージした車両なので、1等を示す「白帯」です。ちなみに、同じく大井川鐵道が保有するお座敷車両のナロ80形とナロ82形は2等車のイメージなので「青帯」が引かれています。

 スイテ82形の設備は、1人用のアームチェアを10脚、2人用ソファを8脚備えた客室と、4人用個室(特別室)が1室。座席定員は30人とゆったりしたものです。

 幅450mmの1人用アームチェアはリクライニングしないものの、どの方向にも向けられるので、景色を見るのに最適。2人用ソファは幅900mmの固定式です。4人用個室は、レール方向の個室長さが2.6mもあります。これは寝台特急「サンライズ」に使われる285系電車のA寝台個室「シングルデラックス」(個室長さ2.28m)よりも広いものです。

 照明も白熱灯シャンデリアがあるなど、非常に豪華な設備を持つスイテ82形ですが、旧型客車と同じく冷房装置はありません。真夏は側窓を全開にして走るため、往年の冷房のない汽車旅を満喫できます。

 スイテ82形は、多客期を中心としてSL急行に連結されたり、納涼ビール列車といった企画列車に連結されたりしますが、普段は乗れないという意味でもレアな車両です。スイテ82形が連結される場合は、大井川鐵道のウェブサイト内、SL急行の予約状況の確認画面に表示されます。「展望車料金」は310円(子どもも同額)です。

【とても通勤形の改造とは…】スイテ82形の特別室ほか 内部の写真を見る

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