優雅なる展望客車、元は通勤形電車!? 大井川鐵道スイテ82形 立ってたら真っ黒になる運用も

SLの真後ろで「真っ黒」体験も!

 スイテ82形は千頭駅行きの下り列車の場合、最後尾に連結されます。この時は遮るものがない後方展望を楽しめます。

 一方、新金谷駅行きの上り列車では、SLのすぐ後ろに連結されるため、走行中は目の前で汽笛や走行音が響き、もの凄い迫力です。

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スイテ82形の展望デッキ(安藤昌季撮影)。

 筆者(安藤昌季:乗りものライター)は2011(平成23)年に開催されたイベント「SLサミット」で、重連となったSLの真後ろに連結されたスイテ82形の展望デッキに立ちましたが、その轟音は圧倒的なインパクトでした。

 もちろん、デッキには煙が吹き込みますから、ずっとそこにいれば真っ黒になりますが、ほかでは味わえないSL体験といえるでしょう。JR西日本が運行する「SLやまぐち」号の35系客車にもオープンデッキは備わっていますが、SLの次に展望車が連結されている場合は、デッキに立ち入ることはできません。

 大井川鐵道には近年、12系や14系といったスイテ82形がイメージするよりも新しい時代の客車が入線しています。ふた昔前の懐かしい汽車旅を味わえるスイテ82形は、実は通勤形電車が大変身した姿と捉えて乗車すると、また違った感じ方があるかもしれません。

【了】

【とても通勤形の改造とは…】スイテ82形の特別室ほか 内部の写真を見る

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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