旅客機に「ワンマン運航」の日は来るのか? 操縦席は「5人」→「2人」まで減 その先は

パイロット2人がいまのところベスト?

 ただ一方で、旅客機が高い安全性を誇っているのは、パイロットが2人で協力して業務にあたっているからこそともいえます。

 たとえば、コクピットの機長・副操縦士の人間関係は、地上の一般的な会社で見られるような上司・部下とは少し異なる、先進的なものといえるでしょう。「クルー・リソース・マネジメント」と呼ばれるこの取り組みも、安全性向上のための策のひとつです。

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JALのエアバスA350-900のコクピット(2019年、乗りものニュース編集部撮影)。

 旅客機の運航は「チームプレイ」といわれます。機内では、最終的な決定権こそ機長が持っていますが、機長は副操縦士などの意見に耳を傾けながら意思決定をすること、副操縦士は不安や気付きを積極的に機長へ進言することなどが訓練の一環で取り入れられています。

 これは、2人で相互に協力しながら機体を飛ばし、有事があれば「3人目のパイロット」ともいえるコンピューターも含めた“チームプレイ”で問題を解決していくという考え方に基づいています。

 極論をいってしまうと、ハイテク旅客機の運航は、特に運航に支障がない平常時の巡航であれば、1人で実施することは十分可能だと思います。ただこれからも、一瞬の判断がその後の運命を分ける状況も絶対に発生しないとは言い切れません。少なくともあらゆる可能性を考慮した画期的なコンピューター・システムが出ない限り、1人乗務よりも、訓練を受けたパイロットとコンピューターがスクラムを組むほうが、困難を解決できる可能性ははるかに高いといえるでしょう。

 話を冒頭に戻すとJR東日本の「ワンマン運転」のケースは、安全確保が課題なのだそう。あそこまで利用者の多い路線だと、車内トラブルでも、運転士が列車の動きを制御し、車掌が車内の様子を把握する――という“チームプレイ”を原則としたほうが、乗る側としてはなんとなく安心な気もしてしまいます。

【了】

【写真大特集】4人! 今と大違い国内初のジェット旅客機のコクピット(24枚)

Writer: 種山雅夫(元航空科学博物館展示部長 学芸員)

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

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コメント

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6件のコメント

  1. メーデー民としては航空機関士を復活させろと思うわ

  2. 2人乗せて交代で1人はパーサーの任につくとか休憩するとかならアリじゃないですか。担当がくも膜下に陥ったなら呼べばいいしジョイスティックを握っていない方は定期的にコクピットを覗けばパイロットの変状に気づけるでしょう。 
    電車は危なければ止めておけばよい。決して航空機と同じと考えてはならない。

    • 2名コクピットの次は1を通り越していきなりゼロ化する気がする。自動操縦が不調を起こして人力操縦を必要とする場合にはCAが臨時的にスティックを握れる用意として常にキャビンクルーの中に操縦・客室常務のダブル免許持ちを2人ほど混ぜておけばいい。

  3. 電車は必殺技「緊急停車」ができるから、機械でも大事にならないように対処できるけど、飛行機が「緊急停車」したら落ちちゃうからなぁ。ジャーマンウィングス9525便とかusバングラ航空211便とか、メーデーの鬱回と呼ばれるものに当たっちゃったら、なんてことだ、もう助からないぞ。

  4. 5人だったのが2人にまでなって、これ以上どう減らせというんだ?
    もう充分だろ。

  5. 今までは
    パイロット、機長、航空機関士の
    3名乗務でないと認ない❗ご
    今ではハイテクになり
    2名乗務が当たり前
    ワンマンは
    通常旅客機で
    万が一飛行不可能になったらどうする?
    だから
    機長とパイロットは
    腹痛を防ぐため
    食事のメニューすら分ける