「→」「←」だらけ! やけに表示が細かい広島駅横の巨大踏切 現地で分かった“親切さ”

横断者に伝えて何の意味があるのか

 そうした事情から、7種類の表示は待っている人に対して「次に通過する列車が何なのか」を伝えているといえるでしょう。

 ではそれを伝えたところで、どのような意味があるのでしょうか。実は、踏切の脇にはエレベーターを備えた大きな跨線橋があります。つまり、踏切を通過する列車の種類を知らせることで、横断者は踏切の遮断時間も推測でき、遮断時間が長いなら跨線橋を使って迂回するという判断ができます。

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踏切脇には立派な跨線橋が設置されているが、利用者は少ない(小川裕夫撮影)。

 しかし、同踏切の前で通行人を眺めていても、跨線橋を利用する人は少なく、ゆっくりしか歩けない高齢者が利用している姿は目撃できましたが、多くの人たちは踏切が開くのをひたすら待っていました。

 とはいえ、全国津々浦々の踏切を訪ねてきた筆者(小川裕夫:フリーランスライター・カメラマン)は、これほど多くの表示がある踏切をここ以外で見たことがありません。

 跨線橋と反対側には職員の詰所のような小屋もあり、時折、職員が旗を振って列車や横断者を誘導する姿も見られます。横断距離が長いため、入念な安全確認が行われているようです。

【了】

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Writer: 小川裕夫(フリーランスライター・カメラマン)

フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。官邸で実施される首相会見には、唯一のフリーランスカメラマンとしても参加。著書『踏切天国』(秀和システム)、『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)、『東京王』(ぶんか社)、『私鉄特急の謎』(イースト新書Q)など。

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コメント

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2件のコメント

  1. 矢印があったか無かったかは報道されませんでしたが、待ちきれずに竹竿を破って侵入したクルマが列車とぶつかった、という事件がひところ東北で相次ぎました。

  2. せっかくなら、詰所のような小屋におられる職員さんが、手動で遮断機を操作されている事にも触れて欲しかったです。小屋の中で通行人を目視しながら、ハンドルを手で回して遮断棒を降ろしておられます。