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単線区間のタブレット交換

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電車・バスの乗車時は整理券を取り、下車時にこの箱に整理券を入れる。整理券は乗車区間などの統計に使われるという(宮武和多哉撮影)。

 市街地では複線だった路面電車は、伊野線の西側末端の7kmほどの区間で単線に。2021年公開のアニメ映画『竜とそばかすの姫』にも登場した鏡川を越えてすぐ、1kmほど国道55号の狭隘な旧道を走行します。

 電車の線路は、幅の狭い2車線道路の片側に敷かれています。大半のクルマは200mほど北側に並行するバイパスを利用しますが、路線バスは多くが旧道経由で、路面電車といっしょに走ります。何よりこの周辺は高知大学の学生街でもあるため人通りや自転車も多く、運転士さんもかなり慎重にレバーを操作しています。

 この旧道区間、交換(すれ違い)設備のある朝倉停留場では、いまでは珍しくなった“タブレット“と呼ばれる楕円状の道具の受け渡しが行われます。この道具を受け取った電車しか単線区間に侵入できない、というとてもシンプルなシステムですが、現在も同様の方法をとっているのは由利高原鉄道(秋田県)など数例しかなく、路面電車では「とさでん交通」でしか見ることができません。

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