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日本一短い「駅間」
高知市内と南国市・ごめん(後免)を結ぶ後免線の一条橋~清和学園前間は、その距離わずか63m。電車の停留所を「駅」に含めた場合、日本一駅間の距離が近いことで知られています。ホームの端と端の距離はさらに短く、50mを切ります。
ここまで間隔が短くなってしまったのは、1985(昭和60)年、清和女子中学・高等学校が移転したことによるものです。その当初は開業当初からあった一条橋停留所を移転することで話し合いが持たれていましたが、学校の入口と停留所の間には川が流れ、当時かかっている橋は歩道もなく狭隘なものでした。
現在はこの北側にバイパスが開通していますが、当時はクルマの交通量がとても多かったため、地元住民が徒歩で路肩を移動することに懸念が持たれ、一転して”一条橋停留所も存続、清和学園前停留所も新設”に落ち着いたという経緯があります。
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その他、めいっぱいの走行音を立てて峠を越える伊野線「咥内(こうない)の急坂」、かつて和紙を港まで輸送していた名残で埠頭のすぐ横まで線路が伸びている「桟橋線の末端」、待合室とコンビニ(ローソン)が併設され、電車の運転士バージョンの“ポンタ”イラストが見られる「ごめん町停留所」、ポルトガル・リスボンから来た「外国電車」、家庭用エアコンを車両内に設置し室外機を屋根につけ「実家の離れを見ているかのような簡易冷房装置つき電車」などなど……とさでんの路面電車、あまりにも特色だらけで見ていて飽きません。
【了】
Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
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