圧倒的低コスト! 見えてきた米海軍の新型揚陸艦 担うは海兵隊の新作戦 陸自も…?

圧倒的な低コストとシンプルさで大量生産も可能に

 LAWの特徴はなんといってもそのコンパクトさです。たとえば、現在アメリカ海軍で運用されているドック型揚陸艦のサンアントニオ級は全長208m、700名以上の海兵隊員を輸送可能と、その差は圧倒的です。しかし、そのぶんLAWは圧倒的に低コストで建造することができるとされています。

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アメリカ海軍のサンアントニオ級ドック型揚陸艦(画像:アメリカ海軍)。

 サンアントニオ級の最新型であるフライト2の建造費用は、1隻当たり約2000億円ですが、LAWは1隻あたり130億円前後を目指すとされています。最終的に、アメリカ海軍では24隻から35隻のLAWを運用する予定で、これにより、既存の揚陸艦とも連携しつつ、EABOをより効率的に実施することが可能となります。

 また現在、陸上自衛隊も島しょ部の防衛を念頭に置いた部隊の配置などを行っていますが、その部隊を島しょ部に迅速に輸送する艦艇の数は十分とはいえません。そこで、このLAWによって海兵隊と共に陸上自衛隊の部隊や戦車などが輸送されることも想定されるでしょう。

 現在、LAWはそのデザインについて5社から提案を受けており、最終的にデザインが決定され次第、その低コストと構造のシンプルさからアメリカ各地の造船所で大量生産が可能になると見込まれています。これは、中国の軍事力増強に対するアメリカの真剣度合いの表れといえるでしょう。

【了】

強襲揚陸艦の祖 旧日本陸軍の秘密兵器「神州丸」

Writer: 稲葉義泰(軍事ライター)

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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