歴代「スカイライナー」はどんな電車? ベテラン運転士が語るAE100形と初代AE形の記憶
「初代AE形は傑出していた」
――初代AE形について質問します。京成初の本格的な有料特急車両として力が入っていたと思いますが、どのような特徴がありましたか?
通勤車両よりも高性能であることにも驚きましたが、速度計が丸型ではなく、横長で「指令速度」「実速度」に分かれていたことも特徴でした。上の指令速度に下の実速度の針を合わせるのですが、針がずれるとブレーキがかかってしまうのです。なお、運転台が広くて、見晴らしが良好なのも印象的でした。
――車両の加減速性能を示す起動加速度が公表されていますが、この数字が高い車両だと、速度が乗りやすいといった違いは感じますか?
新しい車両ほど反応が良いと感じますが、同時期の車両で傑出していたのは初代AE形でしょう。通勤車両よりも運転がしやすい車両でした。後継のAE100形も登場時に高い性能を感じましたが、初代AE形も劣らず高性能な車両でした。定速運転機能にも驚いたものです。
――初代AE形の走行装置を流用した3400形という通勤車両がありますが、この車両の運転特性は初代AE形に近いものなのでしょうか?
加速や減速時に初代AE形を思わせる運転感覚がありますね。運転台は狭くなりましたが。通常、引退車両はもう運転できないわけですから、もう運転することがないという寂しさがありますが、この車両は初代AE形を思い出させてくれて、とても懐かしく感じるところがあります。
――貴重なお話、ありがとうございました。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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