在来線最速「京成スカイライナー」160km/h運転の感覚とは? 現役運転士に聞く

最高速度160km/h運転の感覚とは?

――130km/hと160km/hでは、運転している感覚は異なりますか? 例えば、160km/hでブレーキをかけても、なかなか止まらないと感じることはあるのでしょうか?

 高速運転区間は、基本的には高架橋ですので、実感はあまり変わりませんが、スピードを上げる時のモーター音は明らかに違ってきますね。ブレーキ距離の長さについては、特に長いと感じることはありません。

――160km/h運転をする成田空港線内では「6現示6灯式信号機」という特別な信号が設置されています。高速では通常の信号と見え方が違うものですか?

 特に問題はありません。高速運転時でも見えやすい信号機だと感じます。高速運転時に風速の影響を感じることも特にないです。

――AE形(2代目)は運転台が高い位置にありますが、通勤車両との違いを感じる時はありますか?

 AE形(2代目)の方が、視界が広々しており、先を見通しやすいですね。ただ、先頭車の前頭部が流線型で長いため、通勤車両と比べて停止位置目標が変わるので注意が必要です。

――AE形(2代目)は先頭車(1号車・8号車)の台車にフルアクティブサスペンションを採用していますが、運転士の実感として「この電車は揺れないな」などと、効果を感じるものなのですか?

 120km/h運転時の通勤車両と比較すると、揺れが「ない」と思うくらい違います。先代のAE100形と比較すると、それほど違わないですが。

――「モーニングライナー」や「イブニングライナー」としてAE形(2代目)が京成本線内を走ることもありますが、そのときは130~160km/hの高速運転は行いません。先代のAE100形とほぼ同じダイヤのようですが、同じダイヤでもAE100形と運転感覚の違いはありますか?

 ダイヤはほぼ同じですね。AE形(2代目)と、AE100形では車両性能はやや異なりますが、違いをそれほど意識せずに運転できると感じます。速度制限の表示通りに運転しているということもありますが、AE形(2代目)では、AE100形との加速性能の違いを考慮して、曲線でやや抑え目に走ることはあります。遅延時の回復運転時には、遅れを取り戻しやすいです。

――貴重なお話、ありがとうございました。

【了】

【写真】「止まれ」の踏切を通るスカイライナー

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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コメント

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1件のコメント

  1. 停止位置目標…横浜の地下鉄みたいに運転室窓に合わせるとかにはなっていないんですっけ?