東京お台場「地図から消された橋」撤去へ 青海橋 なぜ短期間で使われなくなったのか
もともとは湾岸道路のう回路
東京都港湾局によると、青海橋は昭和60年代に開通。当時は橋の両端にも道路があり、湾岸道路(国道357号)に並行するう回路として「混雑緩和に役立った道路」だといいます。
しかし、南側に並行する青海有明南連絡線の建設が決まり、「交通量の増加にともなうネットワーク形成のなかで、そちらが優先されるようになった」(東京都港湾局)のだそう。
青海有明南連絡線は東京ビッグサイト前を通る、「ゆりかもめ」の高架下道路です。青海橋の道路も大型車は通行できたそうですが、青海有明南連絡線の方がより広く、有明のフェリーふ頭や青海の倉庫街に通じ“特大車”が多く走るようなルートで、その規模は全く異なります。
このルートの整備を受け、青海橋は1994(平成6)年度に廃止。道路が接続していた有明西運河の両岸は再整備され、1996(平成8)年に水の広場公園となっています。青海橋自体は歩道として活用していたものの、2016年から閉鎖管理になっているそうです。
なお、撤去は老朽化のためだそう。現在はその設計段階であり、撤去の時期については未定だといいます。
バブル期のただ中に開発が始まった臨海副都心は、バブル崩壊に伴うオフィス中心からの開発計画の見直し、世界都市博の中止など、何度かの方針転換を経て現在に至っています。青海橋に近い複合施設「パレットタウン」も2021年12月から順次閉館し再開発される予定です。30年以上にわたりお台場界隈の変遷を見続けてきた青海橋も、そのなかでひっそりと、姿を消すことになるかもしれません。
【了】
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