奇抜すぎる「軍艦の迷彩」何のため? 大戦中のシマシマ 幾何学模様…陸とは発想が違う

二度の世界大戦で、軍艦や輸送船は潜水艦の魚雷をかわすため、船体に奇抜な迷彩塗装を施していました。周囲の風景に溶け込ませる陸上兵器の迷彩とは、そもそも発想が異なる当時の軍艦の迷彩を紹介します。

縞模様に波模様、多彩な図柄が登場

 潜水艦の魚雷は、4門から6門ある発射管から、少しずつ放射状に角度をつけて30秒ほどの間隔で発射していきます。こうすれば一定の幅と時間差で魚雷が進むようになるため、命中する確率が高まります。

 ここで船の側からすれば、自分の大きさやスピード、進行方向などの数値を潜水艦に読み間違えさせれば命中する確率を下げることができます。つまり、第1次世界大戦で登場した複雑な模様の艦艇迷彩は、敵潜水艦が必要とするこれらのデータを見誤らせるのが目的だったわけです。

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典型的なダズル迷彩。アメリカ海軍の輸送艦「ウェスト・マホメット」(画像:アメリカ海軍)。

 こうした当時の艦艇迷彩で最も特徴的だったのは、イギリス海軍が最初に採用した「ダズル迷彩」です。「ゼブラ」ともよばれる白と黒の縞模様を複雑に組み合わせたダズル迷彩は、「艦種」の識別を困難にさせます。

 これは冒頭に述べた、灰色が景色と同調するのとは逆の効果、すなわち目立つ模様を施すことで船の形をわからなくさせるという発想でした。さらに形だけでなく、前後も区別しにくいために針路も掴みにくくさせる効果も期待できます。

 ダズル迷彩を端緒にイギリスでは試行錯誤が重ねられ、いろいろな艦艇迷彩が考えだされました。たとえば、艦首に大きな波頭を描いて速力を擬装したり、斑点模様や波打つ縞模様を描いたりと、多くのパターンが生み出され、用いられました。

 アメリカも第1次世界大戦中から艦艇迷彩の研究を始め、パターン化した「メジャー(基準)迷彩」を採用しました。こうした艦艇迷彩はイギリスとアメリカだけでなく、ドイツやイタリア、そしてフランスも使用しています。

 当時の艦艇迷彩は大西洋や地中海の海戦で多く見られましたが、アメリカは第2次世界大戦の太平洋でも艦艇迷彩を使用しています。なお、日本はアリューシャン列島で作戦を行った軽巡洋艦や、民間商船を徴用して武装化した特設巡洋艦の一部に迷彩を施していました。

【写真】アメリカ海軍の艦艇迷彩、昔と今を比べてみたら

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コメント

1件のコメント

  1. 捕鯨船のキャッチャーボートは軍艦のようなグレーに塗装されているから、どうやら海上では一番有効な迷彩色といえるのだろう。

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