奇抜すぎる「軍艦の迷彩」何のため? 大戦中のシマシマ 幾何学模様…陸とは発想が違う

二度の世界大戦で、軍艦や輸送船は潜水艦の魚雷をかわすため、船体に奇抜な迷彩塗装を施していました。周囲の風景に溶け込ませる陸上兵器の迷彩とは、そもそも発想が異なる当時の軍艦の迷彩を紹介します。

その効果はというと…?

 その頃の特殊な例として、空母の飛行甲板に描いた迷彩があります。古いところではイギリスの空母「フューリアス」の初期に、縞模様が甲板に描かれていました。

 日本では1944(昭和19)年10月のレイテ沖海戦で、空母「瑞鳳」や「瑞鶴」が艦橋や大砲のシルエットを飛行甲板に描いた例があります。

 こうした飛行甲板の迷彩は、航空機に対して空母以外の軍艦に擬装しようとしたものでした。しかし、アメリカ軍機が撮影した「瑞鳳」の写真を見ると、搭載機が発着艦の目印にするための白線が目立っており、迷彩の効果はあまりなかったのではないかと思われます。

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レイテ沖海戦時の空母「瑞鳳」(画像:アメリカ海軍)。

 奇天烈な図柄のオンパレードといえる艦艇迷彩でしたが、残念ながら、第1次世界大戦と第2次世界大戦、いずれも多くの商船が潜水艦に沈められています。艦艇迷彩に絶大な効果があったという話はありません。少しでも狙いが外れてくれればよい、という程度の代物だったようです。

 第1次世界大戦当時は目視で照準を定める時代だったので、迷彩は視認性(ビジブル)を低くしたり、攪乱させたりするものとして重視されていました。そのため、艦艇迷彩という発想も必然的なものでした。

 第2次世界大戦ではレーダーが本格的に使用されるようになりました。それでも目視に頼る潜水艦の攻撃に、艦艇迷彩は有効とされ使われています。その後、軍艦の兵器が大砲からミサイルに主役が変わったことで、現代では水上艦艇や航空機に対してレーダーに捉えにくいステルス(非探知)技術が重視されるようになっています。とはいえ、艦艇迷彩は今でも一部の沿岸警備用艦艇に残っています。

【了】

【写真】アメリカ海軍の艦艇迷彩、昔と今を比べてみたら

Writer:

軍事雑誌や書籍の編集。日本海軍、欧米海軍の艦艇や軍用機、戦史の記事を執筆するとともに、ニュートン・ミリタリーシリーズで、アメリカ空軍戦闘機。F-22ラプター、F-35ライトニングⅡの翻訳本がある。

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コメント

1件のコメント

  1. 捕鯨船のキャッチャーボートは軍艦のようなグレーに塗装されているから、どうやら海上では一番有効な迷彩色といえるのだろう。

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