クルマのドアノブ「フラップ式」復権? グリップ式が主流も多様化 もはや“ノブなし”も

安全性だけじゃない グリップ式からフラップ式へ

 そもそも、欧州車でグリップ式が多かったこと、そして日本でフラップ式からグリップ式に変わっていったことにも理由があります。

 たとえばフォルクスワーゲンは80年以上にわたりグリップ式を貫いています。ハンドルに力を加えて開けやすいので、万が一事故が起きてしまった場合、車内に閉じ込められた人を速やかに救出できるというのです。また、寒いヨーロッパでは、手袋をしたまま楽にドアを開けられるという利点もあるといいます。

 一方、日本でグリップ式が広がったのは、安全面だけではありません。ホンダは以前、背の高いクルマが増え、ドアノブの位置が高くなったことを理由に挙げました。大人が開けやすいだけでなく、身長の低い子供でも、バーの内側に下から手を入れてドアを開けられるので扱いやすいそうです。

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ホンダ ヴェゼル。前部ドアはグリップ式、後部は窓枠に埋め込まれたフラップ式(画像:ホンダ)。

 つまり、クルマの多様化がドアノブ形状の変化をもたらしたという側面もありますが、近年はさらに多様化しています。

 たとえばテスラ車で見られる、ドアパネルに埋め込まれたバーがせり出してくるタイプは、最近ではメルセデス・ベンツなどにも採用されています。空力性能を重視し、物理的な凹凸をなくした究極の形かもしれません。一方、BMWのSUV形のEVであるiXは、一見してフラップもバーもなく、ドアのくぼみに手を入れて開けるというもの。今後も見たことがないようなドアが登場するかもしれません。

【了】

【どう開ける】ドアノブなし車ほか 写真で見る

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コメント

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1件のコメント

  1. アウトバーンを
    ハイスピードで走るドイツ車なら
    空力を考えて
    ドアハンドルがフラップ式なのは当然だが
    たかだか100キロ位の日本では
    バー式だろうが関係ない