JR南武線「武蔵小杉~矢向 高架化」事業化に向け都市計画手続きへ 川崎市
いよいよ具体化していきます。
2022年度予算案に明記
川崎市は2022年度の予算案を発表。その中で、JR南武線の武蔵小杉駅から矢向駅までの高架化について、「事業化に向け、必要な都市計画手続き等を進めます」としています。
南武線沿線ではいわゆる「開かずの踏切」による慢性的な道路渋滞などが問題となっており、連続立体交差事業の検討が進められてきました。そのうち武蔵小杉~矢向の約4.5kmについては、従来の「仮線高架工法」ではなく「別線高架工法」を採用する方向に決定。いよいよ都市計画決定の手続きが始まり、構想が具体化していきます。
昔から高架化で採用される「仮線高架工法」は、営業中の線路をいったん全て隣の工事用地へ切り回し、高架を建設する空間を完全に空けるものです。それに対し「別線高架工法」は、工事用地側に単線の高架を建設し、まず一方向のみ開通。空いた地上空間にもう片方の高架を建設する、というものです。
この別線高架工法により、必要な用地が少なく済み、工期も短くなり、さらに地上の「開かずの踏切」状態も比較的早期に解消されます(片方が高架化した時点で通過本数が半減するため)。
2021年8月に川崎市が行った試算では、この工法見直しにより総事業費が当初の1601億円から1387億円に減額となり、事業期間も約21年から約16年に縮減できるとしています。
なお、別線高架工法での事業化には課題もあります。橋脚1本で高架を支えることから高架高さは8mと低くなりますが、その高さでは鹿島田駅のペデストリアンデッキに高架が当たってしまうのです。したがって、デッキを一旦撤去したうえでどういった動線を再確保するか、2022年度はまずこの調整が必要となってくるものと思われます。
【了】
(中止になった)川崎市営地下鉄よりよい金の使い方だと思います。