N700系のお腹が見られる? 新幹線「唯一の踏切」なぜ地上を走るのか
“鉄ちゃん”じゃなくともカメラを向ける
踏切は市の中心部から離れており、交差している道路も幹線ではないため、クルマや歩行者の通行量は決して多くありません。しかし、踏切を通過する新幹線はかなり減速して通過します。そのため、踏切の遮断時間は長くなります。
同踏切では、新幹線の“お腹”を間近で見ることができます。筆者(小川裕夫:フリーランスライター・カメラマン)はここで、踏切の外からしゃがみこんで、車両を下から覗こうとする親子を見かけたことがあります。そもそも、なぜここを新幹線が通過するのかというと、もともと浜松作業所が在来線の車両工場であり、その施設を新幹線開業後に転用したからです。
一般的に踏切で足止めされると、運が悪かったと思うことでしょう。しかし、駅ホーム以外で新幹線をまじまじと見られるとなれば、逆に幸運と思えるかもしれません。
ちなみに、フル規格新幹線(最高速度200km/h以上かつ全線立体交差)の踏切はここだけですが、在来線を改軌した山形新幹線と秋田新幹線、いわゆるミニ新幹線には多くの踏切が存在します。
【了】
Writer: 小川裕夫(フリーランスライター・カメラマン)
フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。官邸で実施される首相会見には、唯一のフリーランスカメラマンとしても参加。著書『踏切天国』(秀和システム)、『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)、『東京王』(ぶんか社)、『私鉄特急の謎』(イースト新書Q)など。
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