旅客機500機「借りパク」へ! 経済制裁受けロシアがリース機返還拒否…どうするの?

ロシアに対する経済制裁が発動するなか、同国航空会社の旅客機が外国のリース会社へ返還されない見込みとなりました。その数およそ500機、推定価格は1兆円超と前代未聞の「借りパク」問題、発生経緯と今後の展望をみていきます。

ロシアへの経済制裁でリース会社大ピンチ

 EUはリース会社に対し、ロシアの航空会社と交わされている現在の契約を3月28日までに解消するよう通達、リース会社はロシアから一斉に機体を引き上げなくてはならなくなりました。通常の場合は、契約内容にもよりますが、航空会社はリース期間終了後、その価値に応じ買取ないし完全な状態で返却します。また場合によっては、現地の法律に基づき差し押さえられます。

 しかしながら、ロシア政府は経済制裁に強く反発。3月8日をもって、友好国であるベラルーシを除く全ての国との国際線を閉鎖し、すべての旅客機を国内に留め置く決定を下してしまいました。この措置は、第三国において航空機が差し押さえられるのを防ぐ目的であったことは明白です。

 さらに3月10日、ロシア政府はリース契約終了後の返却を禁止し、リース料をロシア・ルーブルで支払う法案の成立を検討中であると明らかにしました。この先ルーブルが無価値になることはもはや避けがたい状況であり、子供が「1億万ルーブル」と書いた紙で支払う行為と何ら変わりませんから、経済制裁への報復とみなしてよいでしょう。ただし、いちばん傷つくのは自分(ロシア)の信用です。

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S7航空のボーイング737-800(画像:Marvin Mutz、CC BY-SA 2.0〈https://bit.ly/3MJjJkc〉、via Wikimedia Commons)。

 3月9日現在においてロシア国内線は運航が続けられており、恐らく接収した機体も今後、ロシア国内線で使用されるのではないかと推測されます。

 ただ、ここで大きな問題となるのが、ロシアの旅客機のほとんどはアメリカのボーイングやフランスのエアバス製であるという点です。経済制裁によってロシアは今後サポートを受けられませんし、多くを外国から購入していた各部品も、消耗しやすいものから順に在庫が尽きるはずです。ある機体からある機体へ部品を付け替える、いわゆる「共食い整備」によって短期的には飛行可能状態を維持できたとしても、根本的な解決とはならないでしょう。

【画像】さすがロシア アエロフロートの「深紅のCA制服」を見る

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