つくばエクスプレスどこへ延ばす? 茨城県が乗り出す一大プロジェクト まずは「行先絞る」
折衷案「空港経由で水戸」はあり得るの?
延伸案の4方面は、筑波山や土浦方面ならば距離も短く建設費も抑えられますが、大井川知事のいう県央・県北へとつなぐ目的であれば、距離の長い茨城空港方面や水戸方面のほうがマッチするでしょう。
そもそも、現在のつくばエクスプレスを整備する基本となった、1978(昭和53)年に茨城県が取りまとめた調査でも、「第二常磐線」構想として学園都市(つくば)から石岡経由、水戸までの区間が示されていました。
県交通政策課によると、現時点では茨城空港案、水戸案とも、両地を直接結ぶものだとしていますが、石岡を経由するルートは両案とも考えられます。この両案を合わせた「茨城空港経由・水戸方面」になる可能性も、否定はしない、とのことでした。
県は今後、5月から12月にかけて調査と取りまとめを行い、2023年2月にかけ第三者委員会での検討とパブリックコメントを実施。3月には延伸方面を決定するスケジュールを示しています。
ちなみに、つくばエクスプレスは守谷以南が直流、以北が交流電化で建設されています。これは石岡市にある気象庁の地磁気観測所に影響を及ぼすことから、一帯で鉄道の直流電化が採用できないため。JR常磐線が取手以北で交流なのも同じ理由です。
コストの高い交直両用の電車などを導入しなければならないことから、大井川知事は地磁気観測所の移転交渉についても意欲を示しています。とはいえ、つくばエクスプレスの延伸にかかる建設費の算出は、交流電化を前提としたものになるそうです。
【了】
このつくばエクスプレスの沿線計画は、つくば市民として率直に申し上げると茨城空港への沿線を推薦したい。