「その兵器ウクライナにいい」交渉上手なだけでないゼレンスキー大統領の安全保障戦略

オーストラリア政府が装輪装甲車「ブッシュマスター」をウクライナに供与しました。ゼレンスキー大統領がその性能を絶賛して急遽実現しましたが、各国への“おねだり”の裏には、戦後をにらんだしたたかな戦略があるようです。

もうひとつのゼレンスキー氏絶賛兵器とは?

 ブッシュマスター以外にもう一つ、ゼレンスキー大統領が名指しで能力を高く評価し、供与を求めた兵器があります。それはイスラエルが開発した防空システム「アイアンドーム」です。

 アイアンドームは「タミル」ミサイルの20連装ランチャーとレーダー、指揮ユニットから構成される、ロケット弾や砲弾などの迎撃を主な用途とする防空システムです。安価な敵のロケット弾や砲弾などの迎撃に、高価な地対空ミサイルを使用するのは割に合わないことから、「ダービー」空対空ミサイルなど、既存の兵器の技術をできる限り流用して開発されました。他の防空システムに比べて、調達と運用のコストが安価である点が特徴の一つとなっています。

 また迎撃成功率の高さも、アイアンドームの特徴の一つです。アイアンドームは2011年3月からイスラエル国防軍に配備されており、同年末の迎撃成功率は約70%でしたが、2012年6月13日付のIsrael Defense(Web版)は、同月に迎撃成功率が90%以上に達したと報じています。

Large 20220416 01
「アイアンドーム」の20連装ミサイルランチャー(竹内 修撮影)。

 ロシア連邦軍のロケット弾や砲による攻撃を受けているウクライナにとって、アイアンドームは喉から手が出るほど欲しい装備品であることは間違いありません。

 しかしイスラエルはアメリカや西欧諸国と異なり、ウクライナへの防衛装備品の供与には慎重な姿勢を示しています。また、仮に供与が実現したとしても、旧ソ連型の防空システムが主流を占めるウクライナ防空軍による運用開始までにはかなりの時間を要するものと考えられます。

【ロシアのミサイルから街を守れる】イスラエルへ供与を求めている「アイアンドーム」ほか 画像で見る

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. ロシア海軍の潜水艦に「異変」! 衛星画像の分析で明らかに 船体に“巨大な傘”を設置か イギリス国防省が指摘
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号