大阪メトロvsウィラー「デマンドバス」のガチ対決! 使ってわかった違い 課題は山積

同じようでちょっと違う2社のエリア、タクシーとの競合を避ける工夫も

 大阪メトロのデマンドバスとmobiとも、運行は地域のタクシー会社に委託されています。ジャンボタクシーの車両をそのまま利用しているせいか、タクシー配車アプリのロゴが入った宣伝モニターが残るなど、タクシーとしての名残も見られます。

 利用料金は1乗車300円、1か月間使い放題の定期利用(サブスク)は5000円と、両者でほぼ同じ。しかしmobiは4月末までの定期利用申し込みで初月半額、家族一人追加を500円で提供し、回数券プラン(5回1400円など)も設定するなど、その価格攻勢はかなり魅力的です。

 乗降地点は一部区域を除き、それぞれの区内で200~300mおきに設けられています。かつて運行されていたコミュニティバス「赤バス」(2013年廃止)が入れなかった背の低い鉄道高架下も、ワンボックスカーは難なく通り抜けています。

 ただ、乗降地点はバスやタクシーとの競合が激しいエリアには、ほぼ設定されていません。これはオンデマンド交通が「既存の交通機関との競合がない」という道路運送法の条項への配慮かと思われますが、特に大阪駅周辺は、大阪メトロが桜橋口に乗降場所が1か所あるのみ、mobiの乗降場所はなく、少し離れた茶屋町エリアを選択せざるを得ません。

 また、タクシーの牙城とも言える北新地には乗降場所が全くなく、西隣の堂島での乗降も大阪メトロのみ。夜の街からの移動は選択肢が限られます。

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JR大阪駅桜橋口前に停車する大阪メトロのデマンドバス。梅田エリアの乗降場所は実質ここしかない(宮武和多哉撮影)。

 2社とも専用アプリでの予約が主となりますが、mobiは稼働中の車両が地図上で表示され、それを確認しながら予約できます。また両社とも車両の接近をプッシュ通知で知らせてくれるのはありがたいところですが、乗車時間をある程度指定して予約ができるのは大阪メトロのみです。ただ、こうした機能面は今後徐々に改善される可能性があります。

 筆者(宮武和多哉:旅行・乗り物ライター)は2社のサービスを通算10回以上利用しましたが、高齢者や乳幼児を連れた人などが多く、相乗りとなることもあります。また、平日朝には1~3分間隔で運行される大阪シティバス34号系統(大阪駅~守口車庫)の混雑による“密”を避けるべく、バス停が近くてもデマンドバスを利用するという人もいました。駅やバス停から遠い淀川南岸や東天満エリアでも、2社の車両を見かける機会が増えています。

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