天まで届く踏切棒!? 異様に長~い遮断桿、下りたら地面にペチッ なぜ長い?
長さはマンションの5階に相当!?
通常、幅が広い道路を遮る踏切では、中間を折り畳む「屈折式」と呼ばれる遮断桿が用いられます。遮断桿を長くすると遮断時、そのしなりによって路面を叩いてしまい、それは遮断桿を痛めるだけでなく、路面を痛めることにもなるからです。
また、地面を叩いた際に遮断桿が破損することも考えられます。周囲の歩行者などに危険が及ぶかもしれません。そうしたリスクを回避すべく、長い遮断桿は屈折式に順次、取り替えられていきました。2基の長い遮断桿は旧来型の生き残りなのです。
ではどのぐらい長いのかといえば、それは目測ながら踏切が開いている時に判断できます。この時、遮断桿は空に向かって伸びますが、それは目の前のマンションの5階にまで達するほど。マンションの階高をワンフロア3mと仮定し、遠近法などを考慮しながら類推すると、約10mあることになります。
これほど長いと、やはり遮断桿が下りてくる時には路面を叩きつけます。傍で耳をすませて観察すると、「ペチッ」という音が聞こえてきます。2022年3月下旬、付近では建設中の高架橋脚が、どっしりと路面を踏みしめていました。
【了】
Writer: 小川裕夫(フリーランスライター・カメラマン)
フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。官邸で実施される首相会見には、唯一のフリーランスカメラマンとしても参加。著書『踏切天国』(秀和システム)、『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)、『東京王』(ぶんか社)、『私鉄特急の謎』(イースト新書Q)など。
コメント