日本最北の急行「花たび そうや」3年越し出発 旭川~稚内260km/6時間 乗りごたえ抜群!

各駅で熱烈歓迎!

 5月14日の旭川駅は、「花たび そうや」の運行開始を見届ける関係者や鉄道ファンなどで賑わっていました。駅構内の横断幕やポスター類が、列車の運行をさらに盛り上げます。指定席券は発売開始後、即完売に。このあとの運行予定日の指定席券も、すべての日程で完売しているそうです。

 旭川駅を出た列車は、遅い春を迎えた田園風景を眺めながら北上します。この時期は、暑くもなく寒くもない、気候としては過ごしやすい時期。窓を開け、そよ風を感じながら、流れゆく車窓を楽しむ……これこそ、鉄道旅の醍醐味のひとつではないでしょうか。

 比布を過ぎると、上川盆地と名寄盆地を結ぶ「塩狩峠」へ。三浦綾子著の小説や映画の舞台にもなった地としても有名で、峠の頂上付近に位置する塩狩駅の近くには、三浦氏の旧宅を復元した塩狩峠記念館があります。この付近には約1600本のエゾヤマ桜(オオヤマザクラ)があり、桜の名所としても知られていますが、今年は桜の開花が早かったこともあり、満開の桜の下で列車が停車する光景を見られなかったのが悔やまれるところです。

 塩狩峠を越えた列車は、和寒、剣淵、士別と停車。これら各停車駅でも、沿線住民や関係者による見送りを受けます。見送る側も見送りを受ける側も笑顔がいっぱい。心あたたまる瞬間でもあります。

 やがて、列車は名寄盆地にさしかかります。名寄駅近くの旧名寄本線(名寄~興部~紋別~遠軽)線路上には、全国でもここでしか見られないSLの排雪列車「キマロキ」編成が展示されており、その姿は車窓からも確認できます。この日は、「花たび そうや」の通過に合わせて汽笛を鳴らすという、ちょっとしたサプライズもありました。

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「塩狩峠」の舞台にもなった塩狩駅(須田浩司撮影)。

 そして、旭川を発車すること約2時間後の12時34分、「花たび そうや」は名寄に到着します。この駅では10分停車するあいだに、後述するオリジナル弁当「そうやの恵みもりだくさん」の受け渡しがなど行われます。関係者や住民による見送りをあとに、終着の稚内へ向けて発車します。このまま終着の稚内まで乗車したかったのですが、残念ながら今回の「花たび そうや」の旅はここまで。後ろ髪を引かれる思いで、いったん名寄駅をあとにしました。

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