インド版「エアフォースワン」印政府専用機“エアインディアツー”が来日 なぜワンじゃない?
2022年5月23日、インド政府専用機「エアインディアツー」が東京都にある羽田空港に飛来しました。運航開始からまだ2年ほどしか経っていない特別機の概要と、なぜ今回は「エアインディアワン」と呼ばないのか見てみます。
インド政府専用機、羽田に飛来
2022年5月24日(火)から日本で行われる日米豪印4か国首脳会議、通称「クアッド」。この開催に合わせ、5月22日(日)にはアメリカ大統領専用機「エアフォースワン」が都下にあるアメリカ空軍横田基地に飛来したほか、インド政府専用機「エアインディアツー」も5月23日(月)に、モディ首相を乗せて羽田空港に飛来しました。
インドでは大統領や副大統領、首相が搭乗する政府専用機は、おもに「エアインディアワン」のコールサインで運航します。しかし今回はなぜか「エアインディアツー」でした。なぜ「ワン」ではなく「ツー」だったのか、その部分を含めインドの政府専用機について見てみます。
そもそも、インドが新たな政府専用機としてボーイング777-300ERを導入し、空軍で運用を開始したのは2020年のこと。同国は長らく要人専用のワイドボディ機を持たず、VIPが外遊する場合は、国営企業のエアインディアが保有するボーイング747-400をチャーターし「エアインディアワン」として運航してきました。
実際、2019年10月にコヴィンド大統領が、天皇陛下の「即位礼正殿の儀」に参列するため来日した際は、エアインディアのボーイング747(機体記号VT-ESO)が羽田空港に飛来しています。
しかしボーイング747は機体の老朽化が進んでおり、またエアインディア自体も多額の負債を抱えていることから、民営化と経営再建に向け、企業としてのスリム化が大きな課題になっていました。さらにインド政府も独自に使用できる専用機を求めていたことなどから、新しい「エアインディアワン」はインド空軍が運用することになりました。
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